退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

説明文指導の工夫 1年生国語「うみのかくれんぼ」

1年生の説明文「うみのかくれんぼ」の授業を参観しました。
導入では前時の学習を振り返るとともに、「せつめいぶん」「ものがたり」「といのぶん」「こたえのぶん」などについて確認がありました。国語の用語を学ぶことで、次の学習への積み重ねができます。用語や読み取るときの技(わざ)について繰り返し学習することで、毎回の学習がゼロからのスタートではなくなります。「前に学習したこの方法が使える」という主体的な学びの基礎を固めることができます。

1年生は小学校6年間の学びの基礎を固めるときです。単語で答えさせるのではなく、文で答えさせるようにいつも心がけて下さい。そして、同じ発問に対して、たとえ同じ考えでも、たくさんの子に多様な言い方で答えさせるようにしましょう。つまり、できるだけ多くの子に発表の機会を与え、練習させるのです。たくさん発表させた中で、教師がよい言い方や考えを評価してあげれば、他の子がまねをして、「学び方のよさ」を広げることができます。

単元の目標は子どもたちに強く意識させていますか。単元の終わりに「説明カード」を書いたり、クイズをつくって出し合ったりする活動ができます。単元のはじめにそのゴールを示して、意欲を高めることができます。「最後に『生き物かくれんぼクイズ』をつくるよ。みんなでクイズ大会をしたら楽しそうだね。そのために、この説明文の中の工夫をたくさん勉強しようね」と、この単元を通して繰り返し子どもたちに伝えることが大事です。

今日の授業ではペア交流がありました。活発な交流が進んでいるところもありましたが、まだ多くはありませんでした。交流活動の初期段階では、「型」を教えた方が円滑に進みます。はじめの挨拶、言う順番、反応の仕方、最後にはよかったところや感想を言う、などを教えます。慣れてきたら型を変えたり、自由に交流させたりする機会も増やします。毎回、どのペアの交流がよかったのか、評価してあげると、それを他の子もまねするようになります。

説明文の授業を楽しくするには、関連した情報を提示することです。例えば、貝について、隠れ方について、絵や写真などを用意して授業の中で提示すると、子どもたちの関心は高まります。知らなかったこと、驚くこと、不思議なこと、生物に関する興味を高めながら、国語の力も高めることができます。

この単元では、自分の経験や知識と結び付けながら読むことを重視しています。子どもたちの読みは多様であるべきです。同じ文章を読んでも一人ひとりが心に描く風景は違います。今まで見たこと、触ったこと、本で読んだこと、テレビで見たこと、かくれんぼしたときのことなど、自分の体験と結びつけて考えさせることが大切です。子どもの思考力、表現力が高まるような国語の授業を目指しましょう。

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ハワイ 2018年8月

 

評価規準を共有すること 1年生算数「たしざん」

今日は1年生の算数の授業を参観しました。
静かで落ち着いた学級です。子どもたちは教師の指示を静かに聞いて、落ち着いて学習活動に取り組んでいました。机の上に何をどのように置くか、活動の順序はどうするかなど、子どもたちの様子をよく見ながら指導できていました。

今日のめあては「9+4のけいさんのしかたをかんがえよう」でしたが、「○○ができるようになる」という意識を高めておけば、子どもの目的意識がはっきりして、意欲も高まります。説明の例を以下示します。「今日のめあては、9+4の計算の仕方を説明できるようになる、ということです。まず、自分でしっかり考えます。次に2人組で説明し合います。この時間の終わりに、どれくらいできるようになったのか聞きます。この1時間、しっかり学習しましょうね」
ペア交流のときには次のように話します。「今からお隣の人に計算の仕方を説明します。聞いた後に相手に、ふつうに分かったのか、よくわかったのか、分からないところがあったのか、伝えて下さい」ペア交流はある程度の「型」を教えておくといいです。はじめに挨拶をすること、おへそを向かい合わせること、目と目を合わせる、笑顔で、説明する人はブロックを指したり動かしたりしながら話す。聞く人は、分かったらうなずき、分からなければ首をかしげて相手にサインを送る。終わったらどれくらい分かったのか伝える。よかったところ、分かりにくかったところなども教えてあげる。時間いっぱい何度も繰り返すようにしておいて、何回もできたペア、前回よりもよくなったペアなどをほめてあげると意欲も高まります。

今日の授業では、全体交流のはじめに、ブロック全部を合わせて数える方法の発表がありました。その発表が終わった後に、数名の子が手を挙げて「もうちょっといい説明があります」と発言しました。加数を分解して答えを求める方法をすぐに教えるのではなく、違う方法でした子の発表から気づかせることができました。このように、大事なことに自分たちで気づくという場面が多くなるといいですね。

学習のまとめは、教師から提示されましたが、子どもたちは自分たちでまとめをつくることができると感じました。「今日は9+4の計算の仕方を考えましたね。計算の仕方で大切だと思ったことは何ですか?」と問えば「10のまとまりをつくることです」と答えることができる子どもはいたと思います。そして、もっと慣れてくれば「10のまとまりをつくって計算するといいです」まで言えるようになるでしょう。学習のまとめは授業で一番大事なところです。子どもが自分たちでまとめをつくることができるように鍛えましょう。

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ハノイ 2018年3月

 

推測する力  5年生外国語活動

今日は5年生の外国語活動を参観しました。
友だちとのペア活動で、自分が家でいつもしていることについての伝え合いです。
交流の前に反応の大切さについて確認し、Me too. Good! Wow! Wonderful! Nice! などの反応のフレーズを子どもたちに思い出させて、板書しました。交流の様子を見ていると、恥ずかしがらずに、大きな声で英語を話すことができていたので感心しました。
終わった後に教師が「どんないい反応がありましたか?」と問いかけると、「拍手してくれました」「○○さんがNice!と(強く)反応してくれたのでうれしかったです」と発表していました。
授業最後の振り返りでは、「○○さんは、毎日楽しそうだなあと思いました」「○○さんは笑顔で言っていました」「○○さんは家事を手伝っていて、すごいと思いました」「自分と同じところがたくさんあるなあと思いました」「「○○さんがいつもゲームしているのでおどろきました」「席替えしたばかりなので、隣の人のことを知ることができてよかったです」など、友だちのことを知る喜び、友だちとやり取りすることの嬉しさがたくさん表れていました。外国語活動の最も大切なことが具現化できています。

外国語活動で重要なことは推測する力です。相手が言っていることのすべてが分からなくても、その中から分かる部分をつないで「多分こんなことを言っているのだろう」と推測できるようになることです。初学者にとって外国語は分からないことの方が多いものです。そんなときに、あきらめてしまわないで、「何とかしよう」と、今までの知識はもちろん、相手の表情やジェスチャーなどからも読み取って、伝えようとしていることを粘り強く考えることが求められます。子どもたちに、繰り返しこの推測する力の大切さを伝えなくてはいけません。「分からない」「難しい」とすぐにあきらめてしまうことがあるからです。教師がある程度のまとまりのある話を英語で聞かせた後、「どんな言葉が聞こえてきました?」と問い、「Apples と言っていました」「redと聞こえました」と一部でもいいので、聞き取れたことをほめてあげましょう。全体の意味を聞き取れた子は最後に発表させるようにして、はじめは部分を聞き取れた子に発表させるようにすれば、どの子も参加できて、伸びを自覚できる授業になります。

「できる限り英語をたくさん使うようにする」も年間を通して繰り返し子どもに意識させる大事なことです。1時間の学習のはじめに、「この時間は外国語活動の時間です。なるべく日本語は使わないで、英語をたくさん口から出すようにしましょう。学習の振り返りのときに、自分がどれくらいできたのか、パーセントで記録します。英語を使う割合が増えるようにがんばりましょう」と伝えておきます。できる子は100%近く英語だけでできるようになります。苦手な子も割合が増えることを目指して頑張ることができます。

「○○ができるようになる」というめあてにすると、意欲が高まり、達成感や満足感も得ることができるようになります。授業のはじめに、「自分が家でしていることについて、友だちに伝えることができるようになる」と、はっきり意識させ、おわりにはどれだけできたのか自分で振り返ることを話しておきます。評価の指標も具体例を示します。「何人の友だちに伝えることができたか」「相手は自分の話に反応していたか」など、伝えた友だちの人数、相手の反応の様子を根拠として自己評価させれば客観性も高まります。

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ハワイ 2018年8月

 

レアジョブの英語レッスン 6か月経過の感想

今日でレアジョブ実用英会話レベル6の90レッスンが終了しました。
3月から始めて、168回レッスン、合計84時間になります。
レアジョブのレッスンはスカイプを通してフィリピンの先生と1対1のレッスンが毎日25分間です。
はじめにレベルチェックがあって、レベル6を勧められたのですが、問題文もすべて英語で、自分には難しく感じたので、レベル5から始めました。
ほぼ毎日、午後9時から予習をして、9時30分から55分まで25分間のレッスンを続けました。
ときどきやる気のない先生にあたることもありますが、ほとんどは明るく親切な先生たちです。
自分の英語力はどれくらい伸びたのでしょうか。
はじめに難しく感じた実用英会話レベル6は、今ではそれほど難しく感じません。
英語による問題にも慣れました。
話す力がどれだけ伸びたのか自分では分かりませんが、聞く力の伸びは感じています。
週に数回、NHKBSの英語ニュース、PBS NewsHourを見ているのですが、これは以前に比べて内容を聞き取れるようになってきました。
さて、次回のTOEICでどれくらい点数を伸ばすことができるのか楽しみです。

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香椎のイタリアンレストラン OLIVE

 

あなたの夏休みは何色? 3年生外国語活動

3年生で外国語活動の授業をしました。
トピックは色です。
授業の前半はクイズ。
まず、写真を見せて、What’s this?
「ごみ箱だと思います」
「リサイクルの入れ物だと思います」
「実はこれはMailboxです」
「メール・・・?」
「つまりポストです」
「えー!」
「これは白黒の写真です。What color is this? 何色だと思いますか?」
「隣の人に何色だと思うのか伝えて下さい」
「赤だと思います」「黄色だと思います」
「正解は(カラー写真を見せる)Blue」
色の言い方に慣れさせるとともに、国による文化の違いを学びます。

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mailbox in Hawaii

後半はWhat color is your summer holiday?
「楽しかったみんなの夏休み、その夏休みを色で表してみてください。
海や山など、いろんなところへ出かけた人もいるでしょう。
そこで見つけたもの、感じた色を教えて下さい」
まず一人で考える時間、次にペア交流、そして全体交流。
「ライトブルーです。志賀島でライトブルーの魚を見ました」
「ブラウンです。山で4とうのシカにあったからです」
「ブルーとレッドです。福岡タワーから夜の景色を見ました」
「ブルーとピンクです。海に行って自転車にのれたからです」
「ブラックです。友だちとボウリングに行ったからです」
「パープルです。『ミュウツーのぎゃくしゅう』のむらさきが頭にのこっているからです」
「ライトブルーです。7月25日に『たかのさいてん2019』で水色のユニフォームを着ておうえんしました」
「夏休みの心にのこった色はホワイトです。理由はおじいちゃんがびょういんにいって、にゅういんして、ろうかやしつないの色がホワイトだったからです」
英語の色について学ぶだけでなく、「伝えてよかった」「聞いてよかった」「相手のことがよくわかった」「自分のことをわかってもらえた」と子どもがうれしさを感じることができる授業を目指しています。

違和感のイタリア

イタリア行きに備えて少し予習
テキストは「違和感のイタリア」八木宏美

イタリア人のアナーキー性、規則破り思考は激しい
何しろ自動車のシートベルト着用が法制化された直後に、黒い斜めベルトデザインのTシャツが大売れしたのである
基本的に法に対して従順な東洋の小さな島国の人間には想像が難しい

イタリア人のメンタリティーの基本は「他人は危害を加えるもの」
ヨーロッパは厳しい争いの歴史がある
イタリア国内も覇権争いの歴史が長い
支配されることへの抵抗感が強く
役所に対する不信感も大きい

教育システムも日本とは全然違う
教育を受けない自由がある
平等や公平という概念も薄い
それでも成績がいい子への妬みはなく
勉強ができないことで自分を卑下することもない

一部の人は高等教育を受けて高度な知性を身につける
その他の人々は義務教育を修了すると
職人になったり起業したりする
それでいいのかと心配になるが
底抜けの明るさと高いプライドを持っている

美術、建築、ファッション
イタリア人の卓越した創造性の秘密について
もう少し勉強しておこう

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エディ・ジョーンズ 言葉の選択

「指導する上で言葉はとても大切だ
自分の発言は必ず選手に影響を与える
好影響か悪影響のどちらかで中間は存在しない
一言もおろそかにはできない」エディ・ジョーンズ

中間が存在しないことはないだろう
しかし、ここでエディが言いたいことは分かる
そう思うことで自分を律すること
自分に負荷をかけること
そのことによって言葉選びが慎重になり、更によいものに磨かれるということ

若い教師たちに伝えるとき
相手の特性に応じた言葉になっているか
抽象的で難解になっていないか
ありふれた陳腐な言い方になっていないか
聞いている相手の表情を見極めながら
最適な言葉の選択を考え続けよう

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Markis Fukuoka Momochi 2019年8月