退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

映画「万引き家族」

映画「万引き家族


善悪の判断は難しい。事象は見方を変えると全く違ったものになる。
犯罪のニュースを聞くとき、「ひどい奴がいるもんだ」「信じられないね」と自分たちとの間に線を引いてしまう。
当たり前だが現実の物事は複雑で、良い悪いは簡単に判断できるものではない。
それでも決めてしまっている。その方が自分が落ち着くから。安心できるから。
振り返ってみれば、人権学習や道徳の授業で何度も学んできたはずなのに、いや、子どもたちに教えてきたのだ。
ステレオタイプから脱することは何と難しいことか。
すぐれた芸術作品とは、人々が気づかずに見過ごしていたものに光をあてる作業。
この映画の登場人物たちの言葉にならない思いについてこれからも考え続けたい。