退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

「買い物ができた」という成功体験  特別支援学級「おかいものをしよう」

特別支援学校の授業を参観しました。
この授業は、買いたいお菓子を自分で選んで、お菓子の数や値段を文章にあてはめた問題を読み取り、式を立てて計算するという活動でした。買い物1回ごとにワークシートに色を塗り、何回買い物ができたか、前回と比較して伸びを実感していました。

めあて「おかしの かずや お金のけいさんをして おかいものをしよう」の指示の後、この学習の流れについて確認がありました。①きょうのおかし ②ルールかくにん ③おかいものをしよう ④ふりかえり 学習に困難を感じている子には、この「見通し」が大切です。1項目ごとに☆印をつけていくのも見て分かりやすい工夫でした。
「①きょうのおかし」は実物なので、子どももうれしくて仕方ない様子でした。しかも前回より種類も増えています。「どれを買いたいですか」と聞かれて「悩む・・・」と答えていました。
「②ルールかくにん」は、一人ひとりがどんな買い方をして、何を計算するのか、その子に応じて個別に課題が設定してありました。「お菓子を一個買って、そのおつりを計算する問題」「お菓子を買って、何個か食べて残りを求める問題」「2つのお菓子の合計金額を求める問題」など、自分にとって「少しの難しさ」が適切な負荷となっていました。

その後、その他のルール、「人が買っているお菓子をとらない」「お店の中を走らない」「お金を大切にあつかう」をみんなで確認しました。ルール確認が終わってから、お買い物のスタートです。タイマーが20分セットされます。「今から20分後は何時何分ですか?」「2時35分です」と、時計の読み方も復習していました。

買い物が始まると、「昨日を超えそうだね」「定規を使ってえらい!」など意欲を高める声かけがありました。お菓子に名前を書く練習、お店の人とのやり取り、並ぶ順序を守ることなど、買い物の仕方だけでなく、多様な活動と気づきのある学習になっていました。プリントにミスがあっても、教師はすぐに答えを教えないで、自分で見直させて気づかせるところもいいと思います。

最後の振り返りでは、全員に「自分が今日つくった問題」を読み上げさせました。前日の買い物の回数を超えた子をほめて、超えることができなかった子には励ましの言葉をかけました。
「次の時間は、今日よりも買えるお菓子の数が増えます」と期待を持たせて授業を終了しました。入念な準備をした上で、その日の子どもの様子に合わせた適切な指導が行われていました。

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ニューヨーク 2017年