退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

「『一瞬』で読みが深まる『もしも発問』の国語授業」(高橋達哉著)

振り返ってみると、今まで国語の授業の中で「はずして読む」という「読みの技能」を子どもたちに教えてきました。
例えば、3年生物語「三年とうげ」の授業で「『がたがたふるえて』の『がたがた』をはずしたらどんな感じがしますか?」と問いかけると、「もしも、『がたがた』がないと、どれだけおじいさんがどれだけ怖がっているのか分からないけど、『がたがた』があるとおじいさんが言い伝えを信じて、とても怖がっていることがわかります」という発言を引き出していました。
「『がたがたふるえる』からどんなことが分かりますか?」という直接的な発問ではなく、「『がたがたふるえる』と書いてあるので、おじいさんが恐ろしくたまらないことが分かりますね」という解説型でもない授業を目指してきました。
この本では、そのような片々の国語科指導法が「もしも発問」という視点で鮮やかに再構築されているので驚きました。

直接的な問いでは、子どもはどのように考えればいいのか分からないことがあります。
解説型の授業では、受動的な学習となり、子どもの意欲は高まりません。
この本では、授業のねらいへ間接的に導き、子どもが自ら気づき発見する発問方法が提案されています。

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