退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

3つのステップで学級ルールを定着させる

もうすぐ新しい学校の1年が始まります。
スタートでは、学級の子どもたちに、まず何よりも安全に落ち着いて過ごすためのルールを身につけさせることが大事です。
学級のルールを3段階で定着させるための指導を紹介します。

第一段階は教師主導でルールを教えます。
子どもが危険なことをしているときは毅然とした態度で叱ります。
合わせて、「先生はこんなときは厳しく叱ります」と、安全のこと、人権に関すること、真面目に努力している人を笑ったときなど、決して許さないことを伝えておきます。
その理由についても説明します。

第二段階は子どもに考えさせます。
何度も同じ注意を繰り返すのは教師だけでなく、子どもにとっても気が滅入るものです。
この段階では、子どもたちに、なぜその行動がいけなかったのか考えさせます。
子どもたちに問いかけます。
時間をかけて複数の子に発表させて深く考えさせます。
子どもたちにルールの意味について考え発表させることで、自分たちのものとして意識させることができるようになります。

第三段階は自治の形成を促します。
最終的に目指すのは、教師がいなくても安全な環境を維持できるような学級にすることです。
クラスをよい方向に導くことができそうな子に、手本となる行動を進んでするように励まします。
その子が教室で暴れている子を適切に注意できたときにほめます。
そのとき、注意の仕方のよさや、このような行動はクラスがよくなるための大きな力になることを学級みんなに説明します。
子どもたちのよさを広める指導が、学級を安全で居心地のよい空間に変えていきます。

参考文献「授業のユニバーサルデザインを目指す 『安心』『刺激』でつくる 学級経営マニュアル すべての子どもを支える教師の一日」(桂 聖・川上康則・村田辰明編著 授業のユニバーサルデザイン研究会関西支部著)東洋館出版社

f:id:shinichi-matsufuji:20200319204713j:plain