退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

「1年生担任のための国語科指導法」(土居正博著)

話す力の仕上げは即興性

2月に「ありがとう集会」(6年生を送る会)を見て感心したのは「話す力」が育っていたことでした。
各学年の出し物が終わるごとに、司会の子が6年生に感想を尋ねるのですが、どの子が突然指名されても、その学年の出し物のよさをはっきりした声で発表していたのです。
そのコメントは一人ひとりが多様で、笑いをとる子さえいました。

土居先生の本では、話す力の伸ばし方が5段階で示してあります。
①しっかり声を出させる指導 ②自分の意見・考えをもたせる指導 ③自分の意見・考えを発言させる指導 ④自分の意見・考え+理由を言わせる指導 ⑤即興で話す指導
スモールステップで分かりやすく指導方法が解説されています。
具体的な指導場面では、あえてパターン化しないで、子どもを楽しませたり鍛えたりする工夫が参考になりました。

外国語活動の「やり取り」の力を高めることとも共通しています。
定型文を繰り返すだけでなく、「反応ことば」を増やしたり、予想外の展開に驚かされたりする工夫があることで「やり取り」が洗練されます。
即興性は、話す力を伸ばすときに目指すひとつのゴールだと思いました。