退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

特別支援を要する子への配慮

昨日、初任の先生から相談を受けました。
前担任からの引継ぎの中で、「授業に集中できずに教室を飛び出すことがある、という子がいたので心配になった」ということです。
特別に支援が必要な子どもへの配慮についてまとめてみます。

①「その子の特性を理解するようにする」
特別に支援が必要な子は、一人ひとりが多様で、これだけですべてうまくいくというような指導法はありません。
強いこだわりを持っている場合も多いので、急に落ち着かなくなったり、不機嫌になったりすることがあります。
何が原因なのか、きっかけなのか、その子の思いを丁寧に聞いてあげましょう。
その子を不安にした要因を取り除いて、対処の方法をその子と一緒に考えます。
クラスの他の子たちにもそれを分かってもらうようにすることも大事です。

②「二次障害が起きないようにする」
よくない行動はやめさせて、適切な行動がとれるようにしなくてはいけません。
しかし、急ぎすぎたり、強い指導が続いたりすると、かえって不安定になることがあります。
今までになかった不適応の言動が増えることさえあります。
子どもの反応を細やかに見取りながら、改善を急ぎすぎないようにして、二次障害が起きないようにしましょう。

③「学級全体の指導が後回しにならないようにする」
よくありがちなことは、支援が必要な子だけに対応して、他の子たちが待たされて騒がしくなることです。
他の子たちにとっては、何もすることがなくて待たされていたのに、教師から注意を受けては不満も起きます。
このようなときは、まず、学級全体への対応を忘れないことが大事です。
適切な指示を他の子たちに伝えてから、その子に対応するように心がけましょう。

④「行為をとめるのではなく、ときにはそのままにしておくことがあってもいい」
危険なことをしていたり、他の子に手を出したりしている場合はすぐに止めなくてはいけませんが、自分で声を出しているだけのときなどは、あえて止めずに授業を進めることがあってもいいと思います。
注意されると更にエスカレートすることがあるのです。
声を出して自分に注意を向けようとしているだけのときは、逆にそのままにしておく方が本人にとっても周りの子にとってもいいでしょう。
その後、自分で気づいて静かにすることができた瞬間をとらえてほめてあげましょう。
そんな様子を他の子たちが見ることができれば、その子との適切な接し方を学ぶこともできます。

参考文献「初任者でもバリバリ活躍したい!教師のための心得」土居正博著 明治図書