退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

2023-01-01から1年間の記事一覧

風景をつくるごはん

「風景をつくるごはん」(真田純子著)を読みました。自分の食生活を振り返ると、「旬のものを食べる方がいい」とは思いながら、「食べたいもの食べたいときに食べる」生活になっています。しかし、自分が農村に行ったときには、「ビニルハウスが多い風景に…

竹内まりやから小泉八雲へ

信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ 「人生の扉」竹内まりや 竹野屋 出雲に行ってきました。竹内まりやの実家の旅館が出雲にあると聞いたことがあったので、宿はそこにしました。竹野屋は…

語学の天才まで一億光年

雷山 千如寺 今日は、雷山の千如寺で紅葉を楽しんだ後、糸島茶房でランチをいただきました。 糸島茶房 「語学の天才まで一億光年」高野秀行著 言葉とは何でしょう。人は言葉で思考します。言葉は伝達の機能もあります。それだけではなく、言葉は文化そのもの…

愛にイナズマ

先週は約30年前の教え子たちとの飲み会でした。みんなもう40代半ば。このクラスはとても仲が良く、今でも半数以上のメンバーが連絡を取り合って。時々集まっています。やんちゃだったYくんは数年前から焼き鳥屋をしていたのですが、お客が少ないようで心配し…

「幸福人フー」坂口恭平著

これは坂口さんが幸福とは何かを書いた本。坂口さんが人生ではじめて会った幸福な人が奥さんのフーちゃん。だからこの本は坂口さんが幸福について研究するため、フーちゃんにインタビューした内容になっています。 坂口さんは躁鬱病で、鬱の時は暗く不安で自…

愛と絶望のコリア記

今日は国語研究会の先輩K先生のコンサート。会場はアクロス福岡シンフォニーホールです。プログラムはヘンデルのメサイア。喜びと悲しみ、光と影、ヘンデルの世界へ深く引き込まれました。ハレルヤ。 「愛と絶望のコリア記 地方記者が見つめ続けた韓国」藤井…

吉井町の小さな本屋で坂口恭平の画集を買った

毎日行っている3年生の教室で体操帽子を拾いました。 名前を探したが書いていないので近くにいた女の子に聞いたら、帽子に鼻を近づけて一瞬で「○○さんの」と当てました。 これは「小学校あるある」です。 小学生の嗅覚、恐るべし。 人間は成長しながら野生の…

コモンの「自治」論

アジア美術館のカフェで本を読んでいたら隣のテーブルにどこかで見た顔を発見。先輩のK先生でした。今は大学で教えているそうです。今日は、美術館で開催中の「水俣展」のボランティアスタッフとのこと。それなら、というわけで読書を中断して水俣展へ。 「…

坂本龍一が遺した音

昨日はテントセンブックスの読書イベント。 13人もの参加者で店が満員になりました。 終了後にある女性から声をかけられたら、実は昔の同僚の娘さんだとのこと。 小学校教員をしているそうで、驚きました。 今日は東図書館のビブリオバトルに参加。 プロのア…

子どもの言葉から「言語の進化」を考えた

連休初日は大濠公園のロイヤルガーデンカフェでブランチ。 ここは本当に居心地のよいカフェです。 湖面をすべる巨大な「白鳥」を見ながらコーヒーをいただきました。 夜は久しぶりの「中州ジャズ」。川沿いのオープンステージで山本剛トリオの「ミスティ」が…

「こんにちは、母さん」山田洋次

上映館では老人が多くて彼らは映画が始まってもおしゃべりをやめないので困った、とネットの映画レビューにあった。私が行ったトリアス久山のユナイテッドシネマでも同じことが起きてたので笑ってしまった。 老いの哀しさ、リストラする上司の苦悩、親子の断…

「季節のない街」 山本周五郎著

学生の頃、黒澤明監督の「どですかでん」という映画を観ました。黒澤監督が不遇の時代の作品です。少数者への共感が描かれている、と感じたのはそんな監督自身の境遇と重ねて見たからなのかもしれません。その原作がこの小説です。 そしてこの夏には、「季節…

「なぜ豊岡は世界に注目されるのか」中貝宗治著

昨日は箱崎のブックスキューブリックのイベントに行きました。 イベント後の懇親会では、モトムラタツヒコさんやキューブリック店主の大井実さんとお話できました。 本や音楽、映画を通して自分を語り、相手を知る。読書は人生を豊かにすると確認できました…

浪のしたにも都のさぶらふぞ

山口への短い旅行でした。 途中で寄り道して北九州市立美術館の白髪一雄を拝見。熱い! 宿に着いたらJBLパラゴンでジャズを聴かせてもらいました。こういうスピーカーが家にあればいいなあ。でも狭いマンションでは無理ですね。 翌日はYCAM(山口情報芸術セ…

「鍋の中」村田喜代子

金曜日は1学期の終業式でした。1年生の教室では先生が子どもたちに話をしていました。「明日から夏休みです」「えー、まだ学校に行きたかった!」と、1年らしい反応です。その後も子どもたちから質問が続出します。「今度は2年生ですか?」「まだ1年生です」…

あの頃、渡辺貞夫と

土曜日のお昼は香住ヶ丘の「フルフル 風の森店」へ行きました。 私のお気に入りは、2階のロフトのような場所。ステレオセットにアナログプレーヤー、渡辺貞夫のLPレコードが飾ってあります。「How's Everything」は1980年のアルバム。ギターはエリック・ゲイ…

運命のひとひねり 村田喜代子とボブ・ディラン

「耳の叔母」(村田喜代子著)を読みました。著者の村田喜代子さんには一度お会いしたことがあります。福岡市の国語研究会で講話をお願いしたことがあって、その打ち合わせをしたときです。有名な芥川賞作家と会える、と緊張してしまって何を話したのかよく…

「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」坂本龍一 

昨日は、後輩Hさんの教頭昇任祝いをしました。彼は2年前に訪問していた学校の教務主任でした。とてもユニークな人物です。教員になる前は、他業種で働いていたところが私と一緒。もう一つ、ミュージシャン志望だったことも同じだと分かって意気投合しました…

村上春樹と伝説のイノシシ

昨日は妻と大濠公園でランチ。湖上を迷走する巨大な白鳥たちを眺めながらおいしいパスタをいただきました。出発前に私が急がせたのでムースをつけすぎて髪がゴワゴワになったと言う妻の話を聞きながら思い出したのは先週読んだ椋鳩十。伝説のイノシシのこと…

街とその不確かな壁

シアトルに住む長女から写真が届いた。 「このオジサンはどこかで見たことある。父が好きなミュージシャンに違いない」 さすが我が娘、覚えていてくれてありがとう。 この人はロックギターの神様、ジミ・ヘンドリックスだよ。 ロックの聖地へ父も飛びたい! …

「Turn! Turn! Turn! ターン ターン ターン」東山彰良

この本の冒頭で、ザ・バーズの「Turn! Turn! Turn!」の歌詞が紹介されている。 生まれる時、死ぬ時 植える時、刈り取る時 殺す時、癒す時 笑う時、泣く時 あらゆる物事には時機があり 天の下、全ての目的にはそれにふさわしい時がある 旧約聖書の「コへレト…

葉山 2023年春

退職して7年目の春。今年度もフルタイムで働くことになった。6名の1年次教員の支援をする。 4名は講師経験あり、2名は3月に大学を卒業したばかり。1年後に「教師になってよかった」と思える研修にしたい。 神奈川県立近代美術館から見える葉山の海 旅行2日…

横浜 2023年春

海の見えるカフェ 横浜2023年3月 横浜1日目は中華街と山下公園の花見。 YOKOHAMA AIR CABINにも乗った。街中から海までをつなぐロープウェイですね。 レストランで夕食を済ませた時間だったので、美しい夜景を見ることができました。 ここの巨大な観覧車は花…

椎名誠は寅さんだった 「失踪願望。」

「シーナ誠を読んでいる」と知人に言ったら3人が3人とも「ああ、この頃死んだ人?」と返してきた。 鮎川誠と間違えないでほしい。 「失踪願望。」を読んでいる。椎名誠を読むのは久しぶりだがやはりおもしろい。この本は日記形式でコロナ禍のシーナの日常が…

金のおの、ソール・ライター、野原

1年生の道徳「金のおの」を参観。自分でおのを池に落とした2番目の男は「自分が落としたのは金のおのです」と嘘をついたので、女神はそのまま何も言わずに消えてしまいます。その男の気持ちを吹き出しに書かせると、「せめてじぶんのおのだけはかえしてほし…

誰も奪えぬこの想い 「この世の喜びよ」(井戸川射子)

私の愛聴盤「エラ&ルイ」(エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングのデュエット)。その中でも一番好きなのが「誰も奪えぬこの想い(They Can't Take That Away from Me)」。思い出とは不思議なもので、大きな出来事よりも日常の何気ないことの…

なぜ書くのか

昨日はSくんと博多駅で飲んだ。Sくんは昨年担当した1年次教員。仕事以外でもこんな風に誘ってくれるのはうれしい。夏に結婚する予定で、式に参加してほしいという話だった。おめでとうSくん。1年目はいろんな悩みが多い様子だったけど、すっかり成長したね。…

長く続くジャズ喫茶の秘密

昨日は元同僚のMくんとテントセンブックスに行きました。この前会ったときにこの店の話をしたら「ぜひ行ってみたい」ということで早速案内しました。Mくんは教員ですが現在は休職して大学院へ通っています。この小さな個性的な本屋が気に入ったようです。 昨…

授業実践「自分の好きな詩を見つけよう」

見通しで意欲を継続させる 「自分の好きな詩を見つけよう」という授業をしました。めあてを提示してから、今日のゴール「自分の好きな詩を見つけること」「学級で一番人気がある詩を当てること」を確認しました。これは、今日は何を学習するのか、ゴールは何…

子どもたちに民主主義を教えよう

「子どもたちに民主主義を教えよう 対立から合意を導く力を育む」(工藤勇一・苫野一徳著)あさま社 憲法とは何でしょう。すべての法律の中心にあるもの、私たちが守らなければならないものと考えてしまいます。しかし、憲法とは、私たち市民が対等で自由で…