退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

言葉とコミュニケーション 特別支援学級の国語

特別支援学級の授業を参観しました。
国語「クイズ大会をしよう」、ものの名前を当てるクイズ大会です。
「何回か続けてきたクイズ大会もこれが最後」ということで、子どもたちの意欲を高めていました。今回は教師も特別参加するという嬉しい驚きも加えています。
はじめは、学習の流れを確認しました。見通しをもたせることで、安心して活動に取り組める配慮となっています。

次に、「話し方名人」「聞き方名人」「ゲーム名人」を確認し、声の大きさ、速さ、自分で考えること、順番を守ること、最後までがんばることなど、みんなが楽しく活動するためのルールを確認しました。子どもたちは、その内容をもうほとんど覚えていました。

ここで学習ノートを配布して、前回のまとめ(振り返り)を読ませました。前回までの自分の課題は何か、一人ひとりが自分で確認していました。今日の活動を始める前に、自分ができること、まだできないことの確かめが行われていたので感心しました。

その後は「今日のおだい」の発表です。
今日のテーマは「のりもの」です。三輪車、バイク、タクシー、トラック、船、自転車、バス、飛行機、電車。どんなものがあるのか、絵と合わせて確認しました。特別支援学級の子どもたちにとって、このように丁寧な共通理解が円滑に授業を進める基礎になっていると感じました。

それから、「ヒントのもと」を子どもたちに聞きました。
「どんな速さですか」「どんなところにとまっていますか」「どんなものをのせますか」「どうやってつくられますか」「どうやって走りますか」など質問の例を子どもたちから出させて、板書していきました。何を質問すればいいのか、よく分からない子にとっては、この「手がかり」が大きな支援になっていたと思います。

実際にクイズ大会が始まると、子どもたちが自分の知識や言葉を総動員して、積極的に参加していました。「どんなものをのせますか?」「人と荷物です」「どんなところで止まりますか?」「駅です」「どのくらいの速さですか?」「バスより早いです」「どんなところを走りますか?」「レールです」
一問一答ではなく、いくつかのヒントを結びつけて、しっかり考える子どもたちの姿がありました。実践を重ねながら、少しずつ改善してきた手立てのよさが感じられる授業でした。

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イタリア 2019年10月