退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

「子どもの『全力』を育てる 国語科指導ことば」(土居正博著)

毎日いろんな学級を見て回っています。
明るく落ち着いていて前向きな雰囲気の学級もあれば、残念ながらそれとは反対の学級もあります。
教師はみんな、よい学級集団を作ろうと努力しています。
しかし、いくら時間と努力をかけても効果が表れないことがあるのはなぜでしょう。

この本の冒頭に「授業で学級をつくろう」という提言があります。
エンカウンターやコミュニケーションゲームなど子どもたちがお互いに仲良くなるための手立てがあります。
これらに良さはあるのですが、それだけでは十分ではありません。
やはり、学校生活で最多の時間を占める授業の改善を中心に取り組むことが一番です。

教師は毎日子どもたちに「よく聞きましょう」「発表する人を見て聞こう」のように指導しますが、聞き上手は増えません。
ここで少し言葉を変えて、「今、○○さんの言ったことを言える?」と問います。
使いすぎると効果がなくなるので、授業のヤマ場でポイントとなる発言があったときにとっておきます。
使い始めは反応する子が少なくても、それに応えられる子を増やしていけば、聞く力と共に学ぶ雰囲気や学習への意欲など、学びの集団としての学級づくりへの道が見えてくるでしょう。
授業を通した学級づくりの第一歩です。

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山梨 2020年2月