2年生国語「スーホの白い馬」
1 叙述に基づいた確かな読み
国語「スーホの白い馬」を参観しました。
導入では前時の学習のまとめを代表の子が発表しました。「白馬が矢がささっても走り続けたのは、スーホに会いたかったからです」それに対して教師から「そのように考えた理由が書けているところが素晴らしいね」というコメントがありました。
本時場面の「そのばん」が「白馬がとのさまのところから逃げ出した日」であること、「白馬だよ。うちの白馬だよ」とさけび声を上げたのがおばあさんであることを確認してから「スーホがどうして跳ね起きたのか」を子どもたちに問いかけました。
「白馬がかえってきたからです」
「家族のきずながあるからです」
「とのさまにつかまっていたのにかえってきたからです」と答えていました。
次は「走って」と「走って、走って、走りつづけて」を比べます。
言葉が繰り返されることの効果を読みます。
「矢がささってもがんばって走っている感じがします」
「スーホにすごく会いたいから走り続けたと思います」
「すごく遠くから走ってきていることが分かります」など、子どもたちは言葉の違いについて読み取っていました。
その後は、歯を食いしばって白馬の矢を抜くスーホの気持ちを考えました。
「どうしてこんなことになってしまったの」
「よくここまで走ってきたね。もう安心していいよ」
「死んだらいやだよ。悲しいよ」など、今までの叙述とつないだ読み取りができていました。
主要発問とその補助発問がよく考えられていたので、子どもの発言が途切れることなく続いていました。叙述に基づいた確かな読み取りとなっていました。
2 読み取りの技を鍛える
以下は読み取りの技を鍛える例です。
白馬に刺さった矢を歯を食いしばりながら抜いたスーホの気持ちを読み取ります。
①同じページの叙述とつないで読む(すぐ近くの叙述とつなぐ読み取り。初級技です)
「~だと思います。それは~だからです」の形式で発言させます。
「スーホは悲しかったと思います。それは白馬に矢が何本も突き刺さっていたからです」
「スーホはうれしかったと思います。それは白馬がひどい傷を受けても走り続けて自分のところへもどってきたからです」
②前の場面の叙述とつないで読む(離れた叙述とつなぐ読み取り。上級技)
「スーホはくやしかったと思います。競馬で一等になったのに白馬をとられて、そのうえ白馬がひどい目にあわされたからです」
「スーホは悲しかったと思います。おおかみを必死で追い払ってくれた白馬を兄弟のように思っていたからです」
「スーホは悲しかったと思います。小さい頃から心を込めて世話をした白馬が傷ついて死にそうになっているからです」
「スーホは悲しかったと思います。それは自分にはお父さんもお母さんもいなくて、白馬を兄弟のように感じていたのに、その白馬が死にそうだからです」
まずはじめは教師が手本を示して叙述をたどる読み方を教えます。
そして、少しずつスモールステップで子どもが自分で読めるように鍛えていきます。「前の場面に書いてあったこととつないで読み取ったね。すごい!」のように子どもをほめてあげます。
子どもは、読み取りが上手にできるようになると、このような読み取りを複数組み合わせて自分の考えをつくることができるようになります。
そのような深い読み取りができるようになると、教師と子どもの一問一答ではなく、子どもたちがお互いに発言をつなぐこともできるようになります。