退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

授業実践「自分の好きな詩を見つけよう」

見通しで意欲を継続させる

「自分の好きな詩を見つけよう」という授業をしました。めあてを提示してから、今日のゴール「自分の好きな詩を見つけること」「学級で一番人気がある詩を当てること」を確認しました。これは、今日は何を学習するのか、ゴールは何なのか、学習の見通しを持たせるためのものです。

 音読で授業のリズムをつくる

授業の途中には音読を入れました。これは変化をもたせるもの、心地よいリズムを生み出すためのものです。音読では「追い読み」をさせました。短く区切りながら教師が読んで聞かせて、その後を続けて子どもたちが読みます。

 意外性と驚き

取り上げる詩は意外性があって、子どもたちが驚くようなものを選びました。まず「おれはかまきり」は「おれ」「~だぜ」の乱暴な言葉に子どもたちはドキッとします。「こわれたじてんしゃ」はすべてが擬音語。「お経」は漢字ばかり。「こんな詩ははじめて」「こんな風に書いてもいいんだ」と子どもたちは夢中になっていました。

 全員が参加できる工夫

普通に詩を紹介しても楽しく学習できますが、ここでは詩のタイトルや話者を当てさせました。「何だろう?」「~じゃないかな?」「なるほど!」「そうか!」と予想して結果を知るという繰り返しです。予想することで答えが気になり、興味が持続します。簡単すぎても難しすぎてもアウトなので、子どもたちの様子を見ながらヒントを出しました。直感で早く答えだけを言いたい子、よく考えて理由を言う子、根拠や解釈まで言える子など、全員が話し合いに参加できるよう配慮します。

 子どもが発言をつなぐ

授業した学級は聞く力と話す力が伸びていました。「○○さんの言いたいことは~だと思います」と友だちをフォローする子がいました。今回の授業で一番嬉しかった瞬間です。

 授業で取り上げた詩

「おれはかまきり」「ひるねのゆめ」「おがわのマーチ」「ピーマン」工藤直子

「こわれたじてんしゃ」有馬 敲  「お経」阪田寛夫 「大すき」小泉周二

「きつねのこんだて」織田道代

熊本市現代美術館 2022年8月