
京都の正伝寺を訪れました。
街の中から離れたこの禅寺に人の姿はまばらで風に吹かれる落ち葉の音だけが響いています。
この寺は鎌倉時代に造営され、元寇の際には禅師の降伏祈願が捧げられました。
ここに「獅子の児渡し庭園」があります。
七五三調を表現した枯山水の遠くには比叡山がそびえ、その上を白い雲が流れます。
この景色を眺めながら数百年の時の流れを思うと時間の感覚が消えていきそうです。
三島由紀夫を愛読したデビットボウイもこの寺を何度も訪れています。
寺からの景色を長い時間眺めて涙を流していたロックスター。
ボウイの名作「ベルリン三部作」から聞こえてくる東洋的旋律もこの寺からヒントを得たのかもしれません。
好きな音楽家と小説家が私にとって最良の旅の案内人です。

「この庭には何もない。記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまったと本多は思った。