退職しない教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

わたしたちにはなぜ物語が必要なのか

物語を進める原動力はなんでしょう。

ソーンダーズ先生の案内で「かわいいひと」(チェーホフ)「主人と下男」(トルストイ)を読んで気づくことがありました。かわいい女は結婚と死別を繰り返します。主人と下男は雪の中の強行突破を何度も行います。思い出しました。幼稚園で読んでもらった「てぶくろ」は、手袋に入れてほしいと頼みにくる動物たち。小学校に入学して読む「大きなかぶ」では、蕪を抜くために動物たちが次々とお手伝いにきます。そうです、繰り返しは物語を進めさせる仕掛け。読者は、「次もこうなるだろう」と予想しやすくなります。「次はどうなる?」と気になります。「繰り返し」は昔からある仕掛けなのですね。

 

どうして私たちは物語に引き付けられるのでしょう。

物語には作者の意図がつかみにくいものもあります。登場人物がとった行動の意味が分からないこともあります。しかし、考え続けると心に浮かんでくるものがあります。昔から人がすることは変わらない。人は愚かなことをするけど立派なこともする。極悪人だって良いことをするときもある。神様みたいに立派な人でも悪いことをするときがある。人間は本当に分からない。でもおもしろい。だからおもしろい。小説を読んで答えのようなものが分かることもある。反対に謎が深まることもある。答えが分からなくてもいいじゃないか。新しい問いが生まれるとそれも収穫。小説はおもしろい!

京都グラフィー 2025年5月