ビル・エバンスはいちばん好きなジャズピアニスト
ワルツ・フォー・デビイは私が最も愛するアルバム
こんなに深く美しい音楽は他にあるだろうか
光の放物線がきらめいては消えていく
ずいぶん昔にしまい忘れた宝物が目の前に現れる
でもすぐに消えて静かなかすかな余韻だけが残る
誰かが私に何か伝えようとしている
私はその声が聴きたかったのだ
けれどもその言葉は瞬く間に遠くなる
ジャズのドキュメンタリー映画
人は少ないだろうと思っていたら
KBCシネマは満員
今でもジャズを愛する人がこんなにいたのだ
傷つきやすい人間だった、だから多くの人を傷つけた
多くの人を傷つけた、だけど自分も傷つきやすかった
どちらも正しい回想なのだろう
映画を見てビル・エバンスの音楽の秘密が少し分かった
彼はあのロバート・ジョンソンみたいに悪魔に魂を売ってしまった
あの至高のジャズを手に入れる代わりに
永遠は一瞬になり一瞬は永遠になった