退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

2021-01-01から1年間の記事一覧

「もしわたしが『株式会社流山市』の人事部長だったら」手塚純子著 木楽舎

「もしわたしが『株式会社流山市』の人事部長だったら」手塚純子著 木楽舎 どうすれば街を活性化することができるのでしょう。 魅力的なコミュニティをつくるにはどうすればいいのでしょう。 この本にはその具体的な実践例が書かれています。 著者の手塚さん…

100分de名著「資本論」カール・マルクス 斎藤幸平解説 NHKテレビ

先週は、特別支援学級で英語活動の授業をしました。 学期末の恒例です。 1時間目はクイズとゲーム、2時間目は作って遊ぶ活動。 もう随分実践を重ねてきたので、2時間を楽しく英語で遊ぶことができたと思います。 「私はあの子が話すところを初めて見ました」…

大学のキャンパスのような地域に  菅原和利著「自分の地域をつくる」 本の種出版

今日はオンライン研修会で海外日本人学校元校長のM先生のお話を聞きました。 コロナ感染者が広がり始めた頃、オンライン授業の可能性を試行しながら、ピンチをチャンスに変えるような実践が行われていたことは驚きでした。 大学のキャンパスのような地域に …

言葉にならない願いを聞きとる  上間陽子著「海をあげる」

今日のランチはモスのグリーンバーガーを食べました。 肉を使わない大豆パティのハンバーガーです。 予想よりおいしかったので驚きました。 こんな風に日常の食材も変わっていくのですね。 言葉にならない願いを聞きとる 上間陽子著「海をあげる」 悲しみの…

なぜ彼女はノマドの生活を続けるのか クロエ・ジャオ監督「ノマドランド」

戻ってきなよ 戻ってこいよ お前がもといた場所に戻ってきなよ (「Get Back」The Beatles) ビートルズの映画「ゲットバック」を見るためにディズニープラスに加入したら、前から見たかった「ノマドランド」あったのですぐに見ました。 映画「ノマドランド…

「第四次産業革命と教育の未来 ポストコロナ時代のICT教育」(佐藤 学 岩波ブックレット)

「第四次産業革命と教育の未来 ポストコロナ時代のICT教育」(佐藤 学著)を読みました。 新型コロナ感染拡大に対応して、子ども「一人一台端末」が実現しました。 「学びを止めない未来の教室」実現に向けて、学校のICT環境整備は進んでいます。 経済産業省…

「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」和田靜香著 取材協力 小川淳也

「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」和田靜香著 取材協力 小川淳也 左右社 社会問題や政治について語るときには気をつかいます。 人と話すときに政治の話題になると、相手に合わせて言葉を慎重に選んでいる自分がい…

「小商いのすすめ 『経済成長』から『縮小均衡』の時代へ」平川克美著 ミシマ社

先週は、1年次教師のダンス指導を見ました。 表現(ダンス)には、「災害からの復興」「日が昇るように」「チャレンジ精神」などの意味が込められていました。 1時間の展開を表で見せて、動画や写真でポイントを提示する指導は具体的でとても分かりやすかっ…

「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」川内有緒著 集英社

「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」川内有緒著 集英社 「美術作品を見る」とは一体どういうことなのでしょうか。 この本では、目の見えない白鳥さんと筆者が美術館へ行きます。 目の前にある美術作品のことを、白鳥さんへ伝えます。 その内容は、作…

「魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣」石井妙子著

先週は、訪問している学校で、病休をとることになった教師のことを聞きました。 学校の大きすぎる負担の軽減はなかなか進みません。 とにかく人が足りないという声を多く聞きます。 1週間後は衆議院議員選挙の投票日。 教師の負担軽減を真剣に考えている候補…

「ぼくはこんな音楽を聴いて育った」大友良英著 筑摩書房

「ぼくはこんな音楽を聴いて育った」大友良英著 筑摩書房 大友良英さんは、NHKテレビ「あまちゃん」「いだてん」を担当したことで有名な音楽家です。 元々はジャズギタリスト。それも先鋭的なフリージャズの奏者です。 私は大友さんがDJを務める「ジャズ・ト…

「学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか」 工藤勇一 鴻上尚史 講談社現代新書

昨日、土曜日はT小学校の運動会でした。 開会式と閉会式に参加するのは6年生だけ。 他の学年は教室からリモートで参加。 各学年、表現運動と徒競走、2種目の発表です。 出番のときだけ運動場に出て、終わると教室からスクリーンで観戦します。 演技中は黙っ…

「未来への大分岐」マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソン 斎藤幸平編

私が訪問している小学校の4校のうち1校が2学期制です。 その学校では、今度の金曜日に前期終業式が行われます。 教員の長時間勤務改善はなかなか進んでいません。 2学期制は膨大な量の仕事に忙殺される教員にわずかながらゆとりをもたらします。 それは子ど…

NHKテレビ「100分de名著」ル・ボン「群衆心理」

先週は、私が毎週訪問している学級で子どもの新型コロナ陽性者が出ていたことを聞きました。感染防止徹底の必要性を改めて感じました。 「群衆心理」ル・ボン NHKテレビ「100分de名著」、9月は「群衆心理」。 武田砂鉄さんの解説は、鋭くかつユーモアがあっ…

「岸惠子自伝」岩波書店

先週は、2年生音楽「リズムをかさねて楽しもう」の授業を見ました。 曲の感じを表す言葉をスクリーンに提示していたので、発言しやすくなっていました。 ポルカを踊る動画で様子がよく分かり、楽しい雰囲気になりました。 新採用教師の授業の工夫に感心しま…

「プレッシャー・マシン」ザ・キラーズ

先週訪問した学校では、子どもが新型コロナに感染した連絡がありました。 その子は放課後の留守家庭子ども会に行っていたので、子ども会の子どもたち全員が自宅待機となりました。 約100名、各学級3~5人くらいの子どもたちです。 その子たちは、翌日より…

「流行に踊る日本の教育」石井英真編著 東洋館出版社

先週は、3年生の国語「山小屋で三日間すごすなら」を参観しました。 「話し合い」について学ぶ3時間の小単元です。 その学級では1名リモートで参加している子どもがいました。 驚いたのは、グループで話し合う活動場面で、その子が参加していたことです。 教…

「戦争は女の顔をしていない」アレクシエーヴィチ著

福岡市は先週金曜日から2学期が始まりました。 私が担当している1年生の教室に行ってみると、いつもすぐに話しかけてくるHくんがいません。 担任に尋ねると、お母さんから「私が妊娠中なので休ませたい」と連絡があったそうです。 他のクラスでも「感染が心…

「夢のホテルのつくりかた」稲葉なおと著

30年くらい前のことです。 いとこの結婚式で奈良へ行きました。 そのときにとってもらったのが奈良ホテル(明治42年開業)でした。 立派なホテルだと思ったのですが、その良さは分かりませんでした。 猫足バスタブを見たのも初めてでした。 雲仙観光ホテルに…

「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」加藤陽子著

今日は終戦の日です。 「どうして日本はあのような無謀な戦争を始めたのだろう」と考えたことはありませんか? 軍部が権力を握って暴走したから誰も止められなかった…。 しかし、本当にそうでしょうか? 多くの国民は戦争に「賛成」していました。 軍部だけ…

「人新世の『資本論』」斎藤幸平著 集英社新書

連日記録的な猛暑が続いています。 今日は近づく台風の影響で強い雨が降っています。 台風、大雨、水害などの原因である気候変動を今すぐ止めないと、人類絶滅の危機が迫っています。 今、できることはSDGsかな、と考えていたら、本書では冒頭でこの「持続可…

「街場の芸術論」内田樹 青幻舎

先週火曜日に2回目のワクチン接種をしました。 知人から翌日に熱が出たと聞いていたのですが、その通りになりました。 翌日午後に38度の熱が出ました。 2回目接種の翌日は予定を入れない方がいいようです。 「街場の芸術論」内田樹 青幻舎 宮崎駿の映画で一…

「クラス全員のやる気が高まる! 音読指導法」土居正博著 明治図書

音読カードは役に立っているのでしょうか? 小学校の多くの教師は音読を宿題に出しています。毎日、子どもたちは家で音読をしています。「大きな声で読む」「点や丸に気を付けて」「気持ちを込めて」などのチェック項目があって、それを保護者に聞いてもらっ…

「古くて素敵なクラシック・レコードたち」村上春樹 

先週、私が担当するT小学校は自然教室、H小学校は長崎への修学旅行でした。 コロナの感染防止に配慮する宿泊行事はいつもより大変そうです。 「古くて素敵なクラシック・レコードたち」村上春樹 文藝春秋 アップルミュージックという定額制の音楽配信サービ…

「他者の靴を履く」ブレイディみかこ著 文藝春秋  

「教員免許更新制度の廃止」のニュースが流れてきました。 以前からこの制度の問題点が指摘されていましたが、わたしが気になっていたのは、この制度の背後に「教員たたき」の思惑が隠れている気配を感じたからです。 この本の84ぺージに以下の記述がありま…

「言葉と歩く日記」多和田葉子著 

朝、車に乗るとアップルウオッチが知らせてくれました。「○○小学校までは都市高速を使えば○分で到着します」と。どうして君は、私が今から行こうとしている場所を知っているんだ。普段は車に乗っていないのに。それにそんなこと聞いていない。少し怖くなりま…

「料理と利他」土井善晴 中島岳志 ミシマ社

今の日本の「空気」としてとても気になるのが「自己責任」の考え方です。 経済的、社会的に厳しい状況にある人たちに対して、「それは自分の責任である」と考える人がいます。 一方、成功した自分に対しては「自分はそれだけの努力をしたからこの地位にある…

「クララとお日さま」カズオ・イシグロ 土屋政雄訳

休日の朝はいつもレアジョブ(オンライン英会話レッスン)です。 今日の先生はDさん。 フィリピンで高校教師をしている20代の男性です。 ニュース記事を読んで、オンライン授業の長所と短所について意見交流しました。 「生徒一人に一台の端末なんてまだ無理…

「ベルリンうわの空」香山哲

4年前に一人でニューヨークに行きました。はじめに行った美術館で、同じ絵を見ていた若い人が私に話かけてきました。ジャズクラブに行ったときも隣の人から話しかけられました。米国では近くにいる人にはとりあえず笑顔を見せて話をするという文化があること…

アップルウオッチは役に立つのか?

昨日はマイアミの大学生とZOOM会議でした。 先週、マイアミでは銃乱射事件が起きていたので心配していたのですが、「まあ仕方ないんだよね」という感じでした。 今回も新渡戸稲造の「武士道」について話しました。100年前にこんな立派な日本人がいたと思うと…