画家や美術に関する本がこんなにもおもしろいのはなぜでしょうか。ひとつには、画家たちの人生がしばしば波乱に満ちていること。そして、作品を通して「人間とは何か」「私たちの社会はどのように歩んできたのか」という歴史的な発見があるからだと思います…
M先生が亡くなりました。かつて私は、校長だったM先生と1年間だけ一緒に働きました。穏やかで誠実な先生で、嫌な思いをしたことは一度もありません。短い期間でしたが、今も鮮やかに思い出せる場面がいくつもあります。 その年、職員室の改修工事があり、夏…
小さな街の物語です。AさんとBさんの争いが長く続いています。街の多くの人たちは「どちらも悪いから、早く争いをやめてほしい」と言い、どちらか一方の味方をするのはよくないと話しています。 しかし、本当にそれでよいのでしょうか。 Aさんは裕福で、いつ…
「チョコレートのにおいがする…」 中休みが終わり、子どもたちが教室へ戻ってきたときのことです。 クラスでいちばん小さな女の子が、ぽつりとつぶやきました。 私は、その言葉に気づかないふりをしました。 コーヒーと一緒にチョコを流し込み、そのあと念入…
神戸へ行った。 何で神戸なんだろう。 はじめに浮かんだのは村上春樹。 デビュー作、「風の歌を聴け」の舞台は神戸がモデルだと推測できます。 「前は海、後ろは山、隣には巨大な港町がある。ほんの小さな街だ。港からの帰り、国道を車で飛ばすときには煙草…
入学式前日の準備作業では体育館のトイレ掃除をしました。男子トイレの掃除を6年生の男の子と一緒に済ませてから女子トイレの確認をしました。担当の女の子に話しかけてもキョトンとしています。それを見ていた男の子が教えてくれました。「先生、その子は中…
「黄色い家」(川上 未映子 著)を読みました。 17歳の「花」は家を逃げ出し、黄美子という年上の女性に拾われ、仲間と「黄色い家」で共同生活を始めます。温かさに救われる一方、生活のために犯罪に手を染め、やがて悲劇が訪れます。よい小説はノンフィク…
我が家の娘たちが幼い頃、夢中になっていたプリキュア。そのアニメが面白い進化を見せています。 プリキュアが戦う相手は自分たちに未来はないと感じている悪者たち。しかし彼らも元々は普通の存在でした。それが何かの理由で心を病み、闇の底に落ちてしまっ…
大学生の頃、映画をたくさん見ました。ヨーロッパ映画で記憶に残るものがたくさんあります。その中でも「野いちご」が忘れられません。1957年のスウエーデン映画、監督はイングマール・ベルイマン。 老人となった大学教授はこれまでの人生を振り返ります。世…
韓国ドラマ「二十五、二十一」(Netflix全16話)を観ました。傑作です。青春の痛みと輝きが美しく描かれていました。神保哲生さんが「すばらしい」と絶賛していた作品です。韓国ドラマではいつものことですが、登場人物たちが家族や仕事について真剣に考え…
毎日、朝5時に起きる。新聞を読みながら朝食をとって、6時25分に体操。6時45分からラジオ英会話を聴いている。このルーティンはこの10年くらい変わらない。英語学習を続けているのは単に楽しいから。そうか、英語ではこんな風に言うのか。自分は日本…
舞台「飛龍伝2026―かつて、若者たちが見た明日―」を観ました。原作はつかこうへい。「飛龍伝」は学生運動嵐の嵐が吹き荒れた1970年代の物語です。お互いに傷つけ合うことを回避する現代とは正反対。本音と本音がぶつかり合い、傷つけ合う人間たち。 …
「戦争みたいな味がする」(グレイス・M・チョー著, 石山 徳子翻訳)を読みました。 コリア系アメリカ人社会学者が自分の母について書いた本です。母は1941年に大阪で生まれました。終戦で朝鮮半島に帰りますが、朝鮮戦争で父と兄を失います。その後、生…
KBCシネマで「旅と日々」を観ました。監督・脚本は三宅唱、主演はシム・ウンギョン。河合優実、佐野史郎、堤真一も出演してます。原作はつげ義春の漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」。 前半は夏。暑い季節なのに人物の心の中は寒い。どしゃ降りの…
先週の職員会のできごと。 教頭先生が「最後にお知らせがあります」と話し始めました。「A先生はまだ年限ではないのですが異動となりました…。では、どうぞ伝えてください」 何の話だろう。 A先生は若い女性教師。いつも落ち着いていて慌てた様子を見たこ…
福岡空港のカウンターで、ふと横を見たら、「あっ、山下達郎だ…」 私が大学生の頃、1977年くらいかな。 ブレイクする前で、まだそんなに有名ではなかった。 その頃の達郎のアルバム「SPACY」を最近よく聞いています。 再発のアナログ盤です。 ベースは細…
新聞で「アクティブバイスタンダー」の記事を読みました(朝日新聞1月17日)。ハラスメントや差別に第三者として遭遇したら、どうしたらいいのか? 「一般社団法人アクティブバイスタンダー協会」は、そんなときにどう動けばいいのか、考え実践する研修を…
サリンジャーを読んだ。「彼女の思い出/逆さまの森」(金原端人訳 新潮文庫)。「彼女の思い出」はこんな話。大学生の「おれ」は、いいかげんな奴で、父親からウイーンで勉強してこいと言われてやってきた。おれはそこでリーアという美しい娘に出会う。おれ…
佐賀の「シエマ」で台湾の映画「ひとつの机、ふたつの制服」を見た。 主人公の小愛は名門女子高校の夜間部に通う生徒。 この高校では昼間の全日制に通う生徒と同じ机を使う。 小愛は同じ机を使っている敏敏と仲良くなる。 二人は対照的。 小愛は勉強が苦手で…
元日はいつものように猪野神社に初詣。家に帰ってからおせちを食べて映画鑑賞。ブラッドピットの「F1」を観ました。30年ぶりに復帰したレーサーの物語。ペアを組む反抗的な若者との対立と…。良質のエンターテインメント。何しろ冒頭からツェッペリンの「…
京都はいつも新しい発見があります。 今回は妻のリクエストでまずは清水寺へ。 清水寺は観光名所として満点でした。 はじめに長い坂を上っていく。 両側には土産物屋、すごい数の観光客。 外国の方が着物を着て歩いています。 その着物の派手なこと。 原色、…
先週の給食はカレーうどんでした。 1年生の子どもたちは朝からワクワクです。 カレーもうどんも子どもたちの大好物。 その二つが合体するなんて夢のよう。 給食の時間になって配膳も終わり、 いただきます、の挨拶とともに食べ始めると 一人の子がごはんにか…
「みんなの考えはどれもすばらしいです。それではこれで授業を終わります」 こんな風にして終わる国語の授業をしたことがあります。 考えを出し合うだけでよかったのか、と疑問が残りました。 「AとBはどちらが正しいのか」という授業をしたこともあります。…
谷川俊太郎と村上春樹には多くの共通点がある。 その一つがアメリカの作家レイモンド・カーヴァー。 谷川は好きな小説家について語ることは少なかったが、その一人がカーヴァーだった。 村上は多くの翻訳作品を残しているが、最も力を入れていたのがカーヴァ…
ピーター・バラカンさんがラジオで紹介していたアルバムが好きになって毎日聴いています。 ボズ・スキャッグスの「Detour」というアルバム。 ボズは70~80年代にヒットチャートを賑わしていた人気歌手です。 「We're All Alone」は最高ですね。 そのボズ…
先週は3年生の算数「まるい形を調べよう」の授業を見ました。「球体の断面は円である」ことを学ぶところです。「では、このドッチボールを真ん中のところから半分に切ったら、どんな形になるでしょう」と教師が問うと、男の子が予想を述べ始めました。クラス…
連休はトリアス久山で映画鑑賞。 ワン・バトル・アフター・アナザー 脚本・監督はPTAことポール・トーマス・アンダーソン。 原案はトマス・ピンチョンの小説「ヴァインランド」。 重量級ですね。見るしかない。 奇妙な人間がたくさん出てくる映画。 ディカプ…
シーナ・アイエンガーさんのインタビューを読みました。(朝日新聞 10月23日)シーナさんはコロンビア大学ビジネススクール教授で、著書の「選択の科学」(2010年)は、世界的なベストセラーとなっています。「100種類の炭酸水から一つを選んでください」と…
新聞の書評を読んで買った本ですが、はじめのところを読んでそのままにしていました。ボッティチェッリ、ラファエロなどの名前がありましたが、私が好きなのは近代以降の美術です。「これは違うかな…」とそのままになっていました。最近になって続きを読み始…
福岡市の中心に新しくできたワンビルは私のお気に入りの場所です。その4階にある蔦屋書店で珍しい本を見つけました。タイトルは「作文」。洋書のペーパーバックみたいなつくり。出版元はあのU-NEXT。なんで本なんだろう。どうも新しい形の出版を目指してい…