退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

2022-01-01から1年間の記事一覧

釜山市立美術館

釜山旅行2日目は釜山市立美術館。 サムソン2代目会長Lee Kun-hee氏のコレクションが公開中でした。 展示作品のほとんどが1920年代から現代までの韓国作家の作品。 韓国の現代絵画は福岡のアジア美術館で何度も見ていますが、今回はより多様な韓国美術界の歴…

サムルノリを知っていますか?

クイーンビートルから見た釜山港 3年ぶりの釜山。もう10年以上の交流があるS校長先生との再会も楽しみです。 今回の1日目は韓国伝統音楽のコンサート。韓国は伝統音楽をとても大事にします。小学校を訪問したときは、音楽室にある伝統音楽楽器の充実に驚きま…

「聞く技術 聞いてもらう技術」東畑 開人著 ちくま新書

私の今の仕事は若い教師たちに授業のアドバイスをすることです。授業に関することが中心ですが、学級づくりや保護者対応などについて相談を受けることもあります。だから、「もっと上手に聞きたい」「聞いてもらうにはどうしたらいいのだろう」といつも悩ん…

個人美術館の愉しみ「かみや美術館」

初めての愛知。 福岡なら少し車で走れば山ですが、ここでは山が遠くで見えないほど広い平野が広がっています。 列車が街の中心部から離れると田畑が続いている。 そうか、これが『とよた』! 「かみや美術館」は、愛知県半田市にある個人美術館です。 児島善…

光と陰のアンソロジー  つなぎ美術館

3回目の「つなぎ美術館」。 前回は福岡から新幹線とローカル線を乗り継いで行きました。 「肥薩おれんじ鉄道」という小さな電車はジブリ映画のようでした。 今回はプリウスで約3時間のドライブ。 前回はたどり着けなかった野外作品も観ることができました。 …

「ルポ 誰が国語力を殺すのか」石井光太著

今日は中州のbills(ビルズ)でチーズサンドを食べました。少し高い店ですが、外国に来たみたいな雰囲気で、気分が上がります。 「ルポ 誰が国語力を殺すのか」石井光太著 国語力低下の問題は単に学力の問題ではありません。もっと大きな問題、社会全体に関…

「映画を早送りで観る人たち」稲田豊史著 光文社新書

「映画を早送りで観る人たち」稲田豊史著 光文社新書 先日、映画「百花」を観ました。監督の川村元気さんは、「近頃は映画を早送りで観る人が多い。だから私は早送りできない映画を作った」と語っていました。この本を読んで、川村監督の思いが何となく分か…

コーチング(1)「相手の心のシャッターを上げる」

小倉リーセントホテルはJR西小倉駅から歩いてすぐのところにあります。教職員であれば互助会の割引(補助)と県民割が併用できるので、驚くほど安く泊まれます。(というかほとんど手出しゼロ) 気になるのはレストランでビールを飲んでいると、「職員室」…

「ぼくらの戦争なんだぜ」高橋源一郎著

藤原新也さんの写真と言葉は、強く深く響く。 今回は絵画や書まで含めた表現の全体を見ることができた。 2022年の私たちに届けられた言葉は「祈り」。 福岡市へ来たら博多駅近くのホテル「ザ・ベーシックス福岡」のロビーを見てほしい。 高くそびえる本棚が…

「運動脳」アンデシュ・ハンセン著

「運動脳」を読んだ。「これは人生を変える本かもしれない」と思った。 私の知人、教員Aさんは、現在「うつ」に苦しんでいる。 疲れがとれない、眠れない、暗い気分が続く、などのメンタルの不調を訴えている。 「休日は、学校のことを考えないで、自分の好…

授業で学級をつくる

夏季休業中は延べ29回の面談を実施しました。授業や学級づくりに関すること、指導案作成など、1人約1時間。普段は短い時間しか話ができないので、まとまった時間にゆっくり話を聞くことができるのは貴重な機会でした。 先生方との面談で聞いたことは、「も…

ジョン・レノン、三島、風立ちぬ

万平ホテル 客室 1970年代、ジョンは毎年のように万平ホテルで夏を過ごしていました。 音楽活動は休業して育児に専念していました。 「ジョンは軽井沢にいるらしいよ」と聞いて、大学生だった私は「早く次のアルバムを作ってくれよ」としびれを切らしていま…

「教育書の生かし方」松村英治著 東洋館出版

この本は小学校教師の著者が今までに読んだ本(1500冊)から「私の考えや実践を創ったり変えたりしたきっかけを与えてくれた教育書」の22冊を選んで紹介した本です。 「読書をどのように実践に生かすのか」が語られています。例えば私も「クラス全員が熱…

 成果や能力をほめるのは危険!?

猪野神社の奥にある茅乃舎(かやのや)カフェに行きました。 真空管アンプからはチェロの優しい調べが聞こえてきます。 初夏には蛍が舞う小川の横にあります。 成果や能力をほめるのは危険!? 「すごい!100点だね」「全部できたね。完璧!」のように子ども…

映画「ベイビー・ブローカー」

昨日は糸島の「森のカフェ」に行きました。 涼しい森の風は天然のクーラー。 高い木の上のカフェタイムは最高でした。 映画「ベイビー・ブローカー」 私は韓国が好きです。新型コロナが広がる直前には家族で釜山に行きました。旧知の孫校長先生から温かいも…

「『正しい戦争』は本当にあるのか」 藤原帰一著 講談社+α新書

7月の参議院議員選挙を前にして、日本の進むべき方向についての議論を聞くことが多くなりました。ロシアのウクライナ侵攻の影響で、「日本も軍備を増強すべきだ」という意見が多くなっています。「ウクライナは核を手放したから侵略されたので、日本も核を…

映画「トップガン マーベリック」

先週は友人たちとの食事会。 アメリカの勤務から戻った友人とも久しぶりの再会です。 もう60代後半になる先輩も理科専科でフルタイム勤務しています。 「まだまだ70まではがんばってみる」と元気いっぱいでした。 さて今日は映画の紹介です。 映画「トップガ…

大阪の博物館に行ったら村上春樹を思い出したこと

「俺は黙って古墳を眺め、水面を渡る風に耳を澄ませた。その時に俺が感じた気持ちはね、とても言葉じゃ言えない。いや、気持ちなんてものじゃないね。まるですっぽりと包みこまれちまうような感覚さ。つまりね、蝉や蛙や蜘蛛や風、みんなが一体になって宇宙…

「なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?」岡崎大輔著

先日、新聞で元福岡市こども総合センター所長の藤林さんのインタビューを読みました。 「サッカーでいうと、児相はゴールキーパー。本当はみんなで守っているはずなのに、失点すると、『何してるんや』と言われ続ける」 子どもの虐待死の事件では、いつも児…

「撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて」内田樹編 晶文社

福岡アジア美術館のカフェに行きました。 ここが気に入っている一番の理由は人が少ないということです。 8つのテーブル席がありますが、今日もほとんど貸し切り状態でした。 BGMの不思議なアジア音楽も素敵です。 ここで美術に関する本を読んだり、それをノ…

映画「アメリカン・ユートピア」(スパイク・リー監督 2020年)

先週、訪問した学校ではプール掃除が行われていました。 コロナの影響で2年間、水泳指導がなかったので、汚れがひどくて大変です。 さて、今日は映画の紹介です。 映画「アメリカン・ユートピア」(スパイク・リー監督 2020年) トーキング・ヘッズのアルバ…

「人生百年の教養」 亀山郁夫著 講談社現代新書

昨日は大濠公園のカフェで妻とブランチ。漕ぎ手男性の不慣れから迷走するボートにツッコミを入れながら、おいしいコーヒーをいただきました。今日は母の日。89歳になる母と過ごす予定です。 「人生百年の教養」亀山郁夫著 講談社現代新書 著者はロシア文学者…

「ムスコ物語」ヤマザキマリ著 幻冬舎

子育てに限らず、家族や知人や同僚など、人間の社会の中で望まない齟齬や誤解が発生しても、やがてありのままを包括し、認め合いながら生きていけるようになるためのヒントになってくれたら嬉しいし、デルスにも示しがつく。(本書 「はじめに」より) これ…

「レイニー河で」ティム・オブライエン著 村上春樹訳

ロシアがウクライナに侵攻を開始して2カ月になりました。現在はマリウポリでの攻防が続く中、ロシア軍の民間人への残虐行為が次々と明らかになっています。 「同志少女よ、敵を撃て」を読み終えて、再読したのがこの「レイニー河で」です。著者のティム・オ…

「2年生担任のための国語科指導法 低学年のうちに習得させたい国語の学び方」土居正博著 明治図書

新学期が始まって各学校への2回目の訪問が終わったところです。個々の教師や学級の課題はざまざまですが、まずは子どもたちに「聞く力」を育ててほしいと伝えています。 私が見た学級の多くでは「発表している人の方を見て聞きましょう」「よい姿勢で聞きま…

「同志少女よ、敵を撃て」逢坂冬馬著 早川書房

依然としてウクライナから目が離せない状況が続いています。 なぜこのような戦争が起きたのでしょう。 どうして終結できないのでしょう。 私はそんなことを考えながらこの物語を読み始めました。 第2次世界大戦におけるソ連とナチスドイツとの戦いは歴史上最…

「授業で語る 違いから迫る本質論」土居正博・松村英治著 東洋館出版社

4月からの仕事が決まりました。 市内の小学校4校の2~4年次の教師への授業支援をします。 毎日、授業を参観して、よかったところと改善した方がいいことについて助言します。 そのために、授業改善についての最新最良の知見を求めていました。 1988年生まれ…

”The Lyrics:1956 to the Present” Paul McCartney , Paul Muldoon

不思議の国のビートルズ 英国でベストセラーになったポール・マッカートニーの”The Lyrics:1956 to the Present”を読んでいるところです。 これはポールが、自分がつくった歌、154曲について語った本です。 聞き手はポール・マルドゥーン。ピュリッツァー賞…

「BBQ型学級経営」渡辺道治著 東洋館出版社

信頼している土居正博先生の紹介でこの本を知りました。BBQ型学級経営とは参加型の学級経営のことです。学校教育や授業に保護者の参加を促せばどんな良いことが起きるのでしょうか?この本はそんな学級経営に取り組んだ渡辺先生の実践記録です。 現在の学校…

多和田葉子著「白鶴亮翅」 朝日新聞

2月から新聞で多和田葉子さんの連載小説「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」が始まりました。私は毎朝これを読むのが楽しみです。「白鶴亮翅」とは鶴が翼をパッと広げるという意味で、太極拳のことばです。物語の主人公はドイツに住む女性。異国での暮らしには…