「現代のパラドックスがここにある。現実がますます複雑化していくのに対し、僕らはその複雑さに対してますます無関心になってきているのだ」
「ウイルスは、細菌に菌類、原生動物と並び、環境破壊が生んだ多くの難民の一部だ。自己中心的な世界観を少しでも脇に置くことができれば、新しい微生物が人間を探すのでななく、僕らの方が彼らを巣から引っ張り出していることが分かるはずだ」
「コロナの時代の僕ら」パオロ・ジョルダーノ著 飯田亮介訳 早川書房
早く元どおりになってほしい、とよく言ってしまう。
もちろん、平穏な日常は戻ってきてほしい。
しかし、現状のシステムは全部戻した方が本当にいいのだろうか。
それについてはよく考えなくてはいけない。
急速なグローバル化、過剰な消費。それに伴う自然破壊や格差の広がり。
今がよければ、自分は関係ない、という人類の甘えをウイルスが吹き飛ばした。
問題は複雑ですぐに答えは出ない。しかし、あきらめずに考え続けたい。