退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

十五の夏

「十五の夏」佐藤優

1975年、私が大学に入った年の夏、高校一年生の佐藤優はたった一人で、東欧とソ連を旅した。
過ぎてしまえば、どの年も見分けがつかないほど、よく似ているように思えるのだが、この年だけは印象にのこっている。この本に強く引き付けられたのは、まずそこかもしれない。1975年という時代の空気。
本を読んでいる間、自分は15歳の佐藤になって東欧、ソ連を旅した。外国の文化、人との出会いは何と大きな影響を人に与えるのだろう。
人は変わる。風景も変わる。あの頃のソ連はもうない。
変わらないでほしいものが変わり、変わってほしいものが変わらない。
1975年に十五歳の佐藤優が見た光のようなものを私も確かに見た。

 

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