退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

ペア交流による授業改善   4年算数「がい数の表し方」

今日は4年生の算数の授業を参観しました。学級には落ち着きと適度な緊張感があり、ときどき笑いも入れながら、とてもよい雰囲気で授業が行われていました。

今日の授業は4年算数「がい数の表し方」。問題は「札幌市から旭川市までの道のりを四捨五入して、十の位までのがい数にすると約130kmです。札幌市から旭川市までの実際の道のりは何kmから何kmの間にあるでしょうか」。
めあては、「四捨五入する前の、もとの数の求め方を考えよう」です。
「見通し」では、どのように考えたらいいのか、その手がかりを全員で確かめます。百の位は1しか入らない、十の位は2か3、一の位は0~9が考えられる。ポイントは「十の位までのがい数にする」を共通理解しました。
まず、5分間で自力解決です。苦手な子は挙手するとヒントカードがもらえます。半数の子は自力でノートに自分の考えを言葉で表していました。残り半数の子はヒントカードに記入しながら考えています。書いてみると、四捨五入で130kmになる中で一番長いのは134km、一番短いのは125kmと分かります。全体交流では、ヒントカードを拡大したものを提示しながらみんなで答えを確かめました。

問題の答えが出たところで、更に「134.1kmはどうなるのだろう」について考えます。まず、自分の立場をはっきりさせます。「130kmと思う人」、「140kmの人」、「分からない人」、と挙手させて、自分の立場を決めさせていました。その後、近くの人と交流です。約半数の子が自分の考えを相手に伝えていました。
交流が終わったあとに再度、挙手させて、自分の考えを決めさせるとともに、考えが変わった子を確かめました。
その後、問題を読み返して、十の位の四捨五入なので、0.1の位は影響しないことを全体で確かめます。
そして、準備していた数直線を提示して、数直線上でも今日の問題の答えの範囲を確かめました。

説明はとても分かりやすいのですが、教師が話すところが多いです。子どもが話す時間を意識して増やすようにしましょう。特にペア交流ができるように、子どもを鍛えましょう。4年生であれば、自己評価や相互評価もできると思います。ペア交流の大切さを何度も説明しながら、交流する度に、自己評価、相互評価を続けます。
ペア交流の意義を伝え、モデルや評価規準を提示し、「もう少しで上手になる子」に直接指導し、みんなの前で、よさや伸びを紹介してみんなに広げます。「もともと上手な子」には更に高い目標を立てさせ、「苦手な子」には、まずは「よい聞き手」になって「内容を理解すること」を優先させます。
教師の説明を聞いて理解するだけでなく、自分で説明する機会を得ることで子どもの理解は深まり、記憶にも定着します。子どもの思考力、表現力を高め、主体的で深い学びが成立する授業を目指しましょう。

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ハノイ 2018年3月