退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

解き方を他の子に説明させる   4年生算数「計算のじゅんじょ」

4年生算数の授業を参観しました。
ドットの数の求め方を、まとめたり、移動させたりして考え、1つの式に表すことが本時の目標です。
子どもたちに「見通し」を尋ねると、「かけ算でできます」「(数の)かたまりをつくります」「たし算をつかいます」などの考えが出てきました。
自力解決の前には「はかせ」「はやく、かんたん、せいかく」を使って、自分の解き方を見直すように指示がありました。
自力解決がスタートすると、はじめは、この問題をどう解けばいいのか、方法が見つからない様子で、鉛筆が止まっている子がかなりいましたが、徐々に全員が書きはじめました。
班内交流では、3のまとまり、4のまとまりをつくる方法を説明できていました。しかし、班内で説明することに意欲的な子がいる一方、ためらいを見せる子がいることが気になりました。
全体交流では、「4のまとまり4つ、3のまとまりを3つつくりました。4×4+3×3=16+9=25で、答えは25です」と図を示して説明できました。
その後、「3のまとまりを8つくって、1あまりました。3×8+1=25で、答えは25です」と複数の解き方の発表がありました。

この時間の内容(解き方)は、全体交流のときに、発表者は自分の考えた図または式だけを提示して、どのように考えたのかは、他の子に説明してもらうことができます。つまり、他の子が考えた解き方を図や式から読み取り、それを解釈して伝えることです。この方法を使えば、同じ時間でより多くの子が思考したり表現したりする機会をつくることができます。

授業では、同じ学び方を繰り返すだけでは、その技能は伸びません。評価と改善を組み入れることで、学びの技能が向上します。班内交流、全体交流の中で、自分はどういうことができたのか、何が足りないのかを1時間の終わりに振り返る時間をとりましょう。まずは、教師が手本を見せて、子どもの説明や伝え方のよさを取り上げてほめてあげることです。

授業の中でぜひ取り上げたい解き方が子どもたちから出てこないことがあります。その場合は、子どもたちが自力解決しているときに、教師が個別指導でヒントを与えていいと思います。その後は、その子の考えとして取り上げます。教師から「こんな方法もあります」と提示するよりも、子どもたちにとっては「自分たちでできた」と感じることができて、記憶にも残ります。

f:id:shinichi-matsufuji:20191107214806j:plain

ミラノ 2019年10月