退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

ユニバーサルデザインの忘れ物指導

忘れ物をゼロにすることは難しい。
厳しさと精神論で全体に指導するだけでは解決しないし、クラスの雰囲気もよくなりません。
ではどうすれば忘れ物を減らすことができるでしょう。
カウンセリングマインドの個別指導がおすすめです。
子どもが忘れ物をするのには理由があります。
しかも、その理由は様々で子ども一人ひとりで違います。
それを丁寧に聞き取り、改善の方法を子どもと一緒に考えて実行できるように、励まし続けることが必要です。

基本は、前日に宿題が終わったらすぐに連絡帳(お便り、時間割)を見て準備することを習慣にすることです。
時には学級全体で忘れ物をしないための工夫(アイデア)について交流することもいいでしょう。
「○○さん方式」が広がれば、発案者もうれしくなります。

忘れ物をさせないためには、「刺激」も必要です。
忘れ物をしたときは、その学習が始まる前までに、連絡帳に忘れた物を書いて教師に見せに来るルールを徹底させます。
「忘れ物をしても困らない」とは決して思わせないようにします。

家庭との連携も重要です。
連絡帳を通して、家庭からの協力をお願いします。
子どもの実態を知らせるとともに、改善してきたら保護者に感謝を伝えることで連帯意識を高めることもできます。

忘れ物指導でも「ほめて伸ばす」ことを大切にします。
忘れ物が減ってきた子のことをみんなに知らせて、意識を継続させます。
学級全体の伸びについても話します。
「先週は5人だったけど、今週は2人になりました!」のように。
しかし、改善できない子たちが責められることのないようにする配慮も必要です。
できていない子を叱るのではなく、できるようになった子をほめることを心がけましょう。
常にプラス面に注目するようにして、ポジティブな雰囲気を継続させることが大切です。 

参考文献「授業のユニバーサルデザインを目指す 『安心』『刺激』でつくる 学級経営マニュアル すべての子どもを支える教師の一日」(桂 聖・川上康則・村田辰明編著 授業のユニバーサルデザイン研究会関西支部著)東洋館出版社