退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

音読でしっかり声を出させる

なぜ音読の指導が大切なのでしょう。
はっきり言えることは、音読ができなければ文章の詳しい読み取りはできないということです。
文章の意味が分かっているかどうかは、音読させたら分かります。
どこで切るのか、どこを強調するのか、それができる子は文章の理解ができています。
正しく読めない子は文章の意味が分かっていないのです。
音読の大切さを、まず教師が理解し、それを子どもたちに伝えましょう。

低学年では音読の指導に時間をとって、丁寧な指導が行われます。
しかし、学年が進むにつれて、読み取る時間はたくさんとっても、音読の指導はほとんどなくなります。
正確に読むことができていない子が何人もいる状態で、読み取りの話し合いに長い時間をとることは、本当に正しいことなのでしょうか。
音読を宿題に出すだけでなく、もっと授業時間内に組み入れるべきです。

音読でまず大切なことは、しっかり声を出させることです。
簡単そうで、実はこの指導が難しい。
やさしく励ますばかりでは声は大きくならないし、叱ってもうまくいきません。
しっかり声を出すことへの意欲を高めることが大切です。
そのためには「刺激」を与えることが有効です。
できていないときはきっぱりと「ダメ!」と言います。
一人だけでなく、多くの子を「不合格」にしながら、何度もチャレンジさせ、合格する子が少しずつ増えていく、という状況をつくれば意欲は高まります。
テンポよく明るい雰囲気で指導し、できない子へのフォローもあれば、厳しい指導でも子どもたちは熱中して取り組みます。
このような指導を通して、学力を高めると同時に、明るく前向きな学級の雰囲気をつくりましょう。

 

参考文献「『繰り返し』で子どもを育てる国語科基礎力トレーニング」土居正博著 東洋館出版社、「読む・書く・話すを極める 大人の言語スキル大全」齋藤孝著 KADOKAWA