退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

ユニバーサルデザインの授業 2年生算数「かけ算」

今日は2年生の算数「かけ算」を参観しました。
全25時間の6時間目、かけ算の概念を理解するところです。

本時のめあては「6×4のこたえのもとめ方を考えよう」。「6×4のこたえは、6+6+6+6の計算でもとめることができる」を理解することが目標です。初めの見通しを立てるところで、「どんな風に考えたらいい?」「どんなものを使ったらいい?」と問いかけていました。子どもたちは「おはじきです」「まとまりだと思います」「指でします」「1年生の頃のブロックです」「図を使います」など、今まで使った方法、道具などを発表していました。このように見通しを立てさせるによって、主体的に学習を進めることができるようになります。

自力解決の後の全体交流のところでは、よい意見がたくさん出ていました。「おはじきを並べました。6こずつ4列並べました」「6の段だけでなく、他の段でもかけ算はたし算でできます」「どういうこと?」「例えば、3×2だったら、3のまとまりが2だから、3+3=6になります。かけ算はたし算でできます」「わたしは言い方が違います。かけ算は同じ数が何こ分だから、たし算でもできます」。教師が説明してしまわないで、問い返しながら何度も発表させていました。この繰り返しによって、話す力が鍛えられるとともに、聞いている子は理解が深まるでしょう。

今日の授業では「答え、もうわかった」というつぶやきが聞こえてきました。一部の子にとっては、「もう答えは分かっている」「どうして求め方を考えなければいけないの?」と感じさせるところがありました。「このめあてに取り組んでみたい!」と強く感じさせるにはどうしたらいいでしょう?ユニバーサルデザインの要素を授業に入れると、子どもたちの問題解決への意欲を高めることができます。一部を隠したり、間違いを入れて探させたり、選択させたりして、問題を焦点化し、自分の立場を決めさせ、「見える化」します。クラスで一番算数が苦手な子も参加できて、同時に進んでいる子たちの意欲も高めることができます。この仕掛けは1時間の授業の中心に位置づけることが難しければ、クイズのようにして、はじめ又は途中で提示することもできます。おどろき、意外性、発見のある授業の工夫を取り入れて、子どもの学習への意欲を高めましょう。

3人交流の時間がありましたが、自分がどれくらいできたのか、何が足りなかったのか分からないままになっていました。まず、めあてをつくるときに「○○ができるようになる」を強く意識させるようにしましょう。「6×4の答えの求め方を説明できるようになる」です。算数が得意な子は、より分かりやすい説明ができるようになること、苦手な子はまず相手の説明を理解できるようになることが目標です。2年生でもある程度の相互評価はできます。説明を聞いて「分かった」「よく分かった」「分からないところがあった」と話し手に評価を返すようにします。学習のまとめの時間を必ずとるようにして、そこで自分の説明について振り返り、伸びや課題を自覚させます。学ぶ内容だけでなく、学び方についても振り返ることで、より主体的に学習を進めることができるようになります。

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ホノルル 2018年8月