退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

既習内容とのつながり 3年生算数「重さのくらべ方」

3年生の算数を参観しました。「重さを数で表そう」全8時間の1時間目「重さのくらべ方」です。
導入では重さへの関心を高める問いかけがありました。「ドッジボールソフトボールはどちらが重いでしょう?」「ソフトボールの方が小さいけど重いと思います」「四角い粘土と象の形の粘土とどちらが重いでしょう?」「形は違うけど重さは同じだと思います」中に何か入っているのか分からない紙袋が2つあって、それを子どもに持たせて重さを比べさせました。「重い」「軽い」は見た目では分からないことを確認できました。
ちなみに、人の体は重いものを持つとき、腕や肩に力が入るので上に動きます。重いものほど下に傾く法則とは反対なので、気を付けましょう。
「2つの場合だったら比べやすいけど、マジックとのりスポンジはどうする?」と考えさせて、問題「重さをくらべて、重いじゅんに言いましょう」を提示しました。「どうしたらいいと思う?」と問いかけると「何こ分になるか調べるといいと思います」と発言する子がいました。ここで、めあて「重さを数で表す方法を考えよう」を提示。
「ではどうやって重さを数で表すのか、班で話してください」と指示があると、どの班でも活発な話し合いが始まりました。
班で考えがまとまったところから教師のところへ行き、自分たちの方法を聞いてもらって、合格したら測定を初めました。各グループでは、重さを測りたいものを天秤の片方につるし、もう片方には小さなブロックを一つずつ、つり合うまで入れていきました。
測定後、再び子どもたちに問いかけました。「重さを数で表すにはどうすればよかった?」「同じもの何こ分かで比べることができます」そして、長さや「かさ」の例で確かめてから、まとめ「重さも、もとにするものの重さの何こ分かで表せる。もとにするものが違うと数は変わってしまう」を提示しました。

今日の授業では、測定の結果に対して、関心が高まっていないところがありました。のり、マジック、スポンジなどが用意されていましたが、もっと重さの違いが分かりにくいものも入れて、自分で予想してから測定すれば、さらに意欲的に活動できます。

もう一つ大事にしたいことは、既習内容とのつながりです。子どもたちは1年生2年生のときに長さや「かさ」の測定について、何も知識や経験がないところから、長さでは手をつかったり、ブロックをつかったりして、「かさ」ではコップをつかったりして、測定する方法を考えてきました。今回の学習では、それらの学習経験を思い出させて、そのことから類推して、測定の方法を考えることができればよかったと思います。算数における思考で大切にしたいことは、「今まで学習してきたことで、つかえることはないだろうか」です。

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イタリア 2019年10月