退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

1年国語「どうぶつの赤ちゃん」 光村図書

国語の授業を参観しました。
1年国語「どうぶつの赤ちゃん」(1/10) 光村図書
本時目標「単元名や題名、問いの文から学習の見通しを持ち、関心を持って読もうとすることができる」

本時のめあては「たんげん名とだい名とおはなしのさいしょをよんで、よみのめあてをつくろう」でした。
なぜこのめあてが重要なのかを教師自身がよく理解しておく必要があります。
まず題名とは何か。
題名は文章全体の内容を一言で要約したものです。
ここには何が書いてあるのか、それを的確に短く表現したものが題名です。
1年生はこれまでに「くちばし」「うみのかくれんぼ」「じどう車くらべ」などの説明文を学習してきました。
それを想起させると、「『くちばし』では、いろんな鳥のくちばしが出てきた。
だから、今度はいろんな動物の赤ちゃんが出てくるのだろう」と考えるでしょう。
今までの学習経験を思い出させて、それをもとにこれからの学習をイメージするのです。
授業で大切なことは学習経験の積み重ねを子ども自身に意識させることです。
国語科では、気を付けないと、内容理解が中心になってしまいます。
つまり「動物の赤ちゃん」について知ることばかりの授業になることがあります。
「読み方」の学習が重要であることを忘れないようにしましょう。
国語科の大きな目標は、子どもたちが自分自身で文章を読む力をつけてあげることです。

次は単元名。教材文は授業の目的によって多様な読み方ができます。
逆に言うと、読む目的を定めておかないと、子どもたち一人一人が違う方法に読み進めてしまって、共同の学習が成立しなくなります。
だから単元名が大切なのです。
そして、冒頭文。
冒頭はどのように読ませるとよいのでしょう。
今日の授業では、単元名、題名、冒頭をていねいに読ませていたのですが、それらを「つなぐこと」が少なかったと思います。
「このお話の題名は『どうぶつの赤ちゃん』。『じどう車くらべ』ではいろんなじどう車がでてきたので、こんどはいろんなどうぶつの赤ちゃんのことが書いてあるだろう。たんげん名は『ちがいをかんがえてよもう』。なんのちがいをかんがえるのかな。おはなしのさいしょをよんでみよう。なるほど、『うまれたばかりのようす』と『どのようにして大きくなっていくのか』をよんでいけばいいのか。だい名にあったようにほかにもどうぶつの赤ちゃんがでてくるとおもうから、くらべてよもう。それから、じぶんの赤ちゃんのときのようすとくらべてみたいなあ」
このように、単元名、題名、冒頭をつなぐとはどういうことなのかを、自分が子どもになって書いてみると、めざす子どもの姿が明確になり、そのための授業展開が見えてきます。

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2018年8月 ハワイ