退職教員の実践アウトプット生活

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3年生外国語活動 Let’s Try! 1  Unit8  What’s this?

第16回全国小学校英語教育実践研究大会山梨大会で3年生の授業を見ました。
単元名 What’s this?  2年生が楽しめるわくわくクイズを考えよう! Let’s Try! 1 Unit8
本時の目標 相手に伝わるように工夫しながら、クイズを出したり答えたりしようとする。

「2年生とのクイズ大会」の準備をする学習、全5時間単元の4時間目。
ALTがクイズを出します。
What’s this?
Hint1 It’s Brown, yellow, red and green.
Hint2 It’s triangle.
Hint3 It’s food.
Hint4 It’s cheese.
Hint5 It’s tomato.
ALTは早口でジェスチャーもなく機械的に話しています。
「どうでしたか?わかりましたか?」
「わからない!」
「ヒントを出すときには、ゆっくりと言った方がいいですね。ジェスチャーもあれば、わかりやすいね」
ここでめあて提示。
「2年生が楽しめるようなヒントの出し方を工夫しよう」
今度はALTがゆっくり言いながら、ジェスチャーをつけてクイズを出します。
子どもたちは「わかった!」という子もいますが、まだ分からない子もいます。
「まだわからないね。聞いてみようか」
C: Hint please.
ALT: It’s cheese.
C: A pizza.
「3つのヒントの中にチーズがあったらよかったね。言葉を選ぶといいね」
ここで再びALTがクイズを出します。
What’s this?
Hint1 It’s food.
Hint2 It’s triangle.
Hint3 It’s cheese.
今度は、はじめに食べ物であることが示されて、ジェスチャーもあるので子どもたちみんなが分かりました。
その後、ALTが出した最初のヒントと2度目のヒントを表で提示して比べます。
「ヒントが5つから3つになったけれど、言葉を選んで分かりやすくなったね。他にありますか?」
「It’s triangle.でジェスチャーがあったので分かりやすかったです」

次のActivity1はペアでクイズを出し合います。
ペアの出題者である片側だけを立たせて、回答する子は座って聞いています。
答えが正解ならば、That’s right. 違っていればClose. どうしても分からないときはAnswer please.
子どもたちはジェスチャーをつけて、笑顔でクイズを楽しんでいました。
「yellowは消した方が分かりやすくなるよ」と相手のヒントにアドバイスしていました。
このアドバイスはいいと思います。多すぎる場合は少なくして分かりやすくできるでしょう。
しかし、「どのヒントの言葉を残して、どれを削除するのか」は、難しい場合もあると感じました。見直しが適切かどうか、事前事後に教師のチェックが必要です。
ヒントの内容の精選と、どのように伝えるのかという伝え方の改善を同時に行うことの難しさもあったようです。

Activity2では、教室後方の広いところで、教師のタンバリンに合わせて歩きながら出会った子とクイズを出し合いました。
正解の絵は、首から提げているので、最後に相手に見せます。
クイズが終わったペアは、座って静かに待っているので感心しました。

授業最後の「振り返り」には、「友だちに伝わるようにクイズを出したり答えたりできましたか」「2年生がより楽しめるように工夫することができましたか」と、本時の目標に合わせた項目があります。
子どもたちがずっと笑顔で、楽しく活動しているので驚きました。発音もいい!
よく工夫されたスモールステップの授業づくりが続いている証拠だと感じました。
校庭からは美しい富士山が子どもたちを見守っていました。

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2020年2月 山梨