退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

大学のキャンパスのような地域に  菅原和利著「自分の地域をつくる」 本の種出版

今日はオンライン研修会で海外日本人学校元校長のM先生のお話を聞きました。

コロナ感染者が広がり始めた頃、オンライン授業の可能性を試行しながら、ピンチをチャンスに変えるような実践が行われていたことは驚きでした。

 

大学のキャンパスのような地域に  菅原和利著「自分の地域をつくる」 本の種出版

 

これは東京の最西端の奥多摩町に移住した青年が書いた本です。

過疎地で会社を立ち上げる経緯が描かれています。

菅原さんが当初手掛けたのは、アウトドアウェディング、ウェブサイト作成、パソコン教室、サマーキャンプ、シェアビレッジ(シェアハウスの別荘版)など。

その後、小田原で不動産屋の営業マンとして働いた後、再び奥多摩に戻り、林業を通して東京の森と都市をつなぐ事業を始めます。

地域コーディネーター兼アテンダーとしてまちの活性化に関わりながら、保育園・幼稚園への木製遊具販売などが成功して会社は軌道にのります。

 

「都市への人口集中と地方の過疎化」という問題はどうすれば解決できるのでしょう。

福岡市東区の千早、照葉は、新築マンションの建設ラッシュがもう10年以上続いています。

一方で、福岡市から離れた地域の人口は減っています。

都市への人口流入を減らして、過疎化が進む町にもっと人が増えればいいのですが、これは非常に難しい問題です。

理念だけでは人は動きません。そこに楽しさや魅力が必要です。

つい最近、福岡市地下鉄で佐賀への移住キャンペーンを見ました。

電車を待つ間、多くの人が佐賀で暮らす楽しさを想像したことでしょう。

このような地域からの情報発信は効果的だと感じました。

金銭的な豊かさとは違う豊かさを求める人は確実に増えています。

菅原さんが提案する「仕事/ワーク、暮らし/ライフ、遊び/プレイ」を融合させた新しい生き方はとても魅力的です。

 

地域にどう人を入れていくかという話ばかりじゃなくて、自分たちの地域だったらこういう成長ができる、こんな学びがあるということを、きちんと打ち出していく。そうすることで、学びたい人が評価して、移住してきて、本当の意味で学びながら活躍できるというような場所が、いい地域なのかなと思う。(本書160ページ「学べる、成長できる、必要とされる人と、地域がつながるために」より)

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きょうのBGM Ed Sheeran "Overpass Graffiti"