退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

言葉にならない願いを聞きとる  上間陽子著「海をあげる」

今日のランチはモスのグリーンバーガーを食べました。

肉を使わない大豆パティのハンバーガーです。

予想よりおいしかったので驚きました。

こんな風に日常の食材も変わっていくのですね。

 

言葉にならない願いを聞きとる  上間陽子著「海をあげる」

 

悲しみのようなものはたぶん、生きているかぎり消えない。それでもだいぶ小さな傷になって私になじみ、私はひとの言葉を聞くことを仕事にした。(本書29ページ「美味しいごはん」より)

 

著者は琉球大学の先生。

教育学が専門の上間教授は沖縄の未成年少女の支援や調査を行っています。

この本では沖縄における性暴力の被害、基地問題などが幼い我が子との日常と共に語られています。

沖縄の少女たちの現実や基地の実態を聞くのは苦しいですが、著者の温かい眼差しに共感しながら読み終えました。

沖縄の人々の声を自分は今までどれだけ聞くことができていたのだろう、と考えました。

沖縄の海と少女たちの姿が私の前に重なって現れます。

傍観者でいることは結局、加害の側にいること。

 

今年6月23日、1年次教員のT先生が「うーとーとー(お祈りすること)」と自分が育った沖縄の方角に向かって手を合わせていました。

私たち教師が沖縄の歴史を伝えていくことの大切さをもう一度考えました。

 

三月の子どもは歌をうたう。大きくなることを夢見て歌をうたう。大人はみんなでそれを守る。守られていることに気づかれないように、そっとそおっとそばにいて。(本書155ページ「三月のこども」より)

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