退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

相乗効果

 SNSの発達によって、現代人はリアルな人と人との交流が苦手になっていると言われています。入社試験のときに人事担当者が最も重視するのはコミュニケーション能力ですが、それは、重要であるにもかかわらず、その能力が期待レベルに達していない人が少ないと感じる試験官が多いからなのかもしれません。

小学校外国語活動について、新学習指導要領では「主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う」とあります。コミュニケーション能力の素地を養うことが小学校で外国語を学ぶときのポイントですが、そもそも小学校外国語活動はコミュニケーションの力を高めるのに最適の活動なのです。

外国語活動では、ほぼ毎時間、ペアでの対話活動があります。そこでは、留意点として、リアクション(反応する)、アイコンタクト(目と目を合わせる)、スマイル(笑顔で)などを提示します。教室の前方でペア活動させて、そのよさを子どもに見つけさせて、広げています。このポイントは、日本語での対話活動と重なるので、国語で学習したことの繰り返しになるだけでなく、視点を変えた練習となります。

米国へ旅行すると、コミュニケーションの違いに驚くことがあります。買い物で店に入るときには、“Hi!” “Hello!”など、店員に声をかけ、買った品物を受け取るときには、“Thank you.” と客からお礼の言葉があります。エレベーターで一緒になった人とは笑顔で言葉を交わします。このような言語文化の違いに関することも子どもたちは学んでいます。

このように、子どもたちは小学校で外国語を学ぶことで、コミュニケーション能力を高めることができます。国語が十分身についていない子どもが外国語を学ぶことは、マイナスになるのではないか、と心配する声は今もありますが、工夫次第でそうならないようにできます。効果的に運用すれば、プラスに転じることもできるのです。

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ホノルルの虹 2018夏