退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

その子らしい「気づき、考え」が生まれる授業 6年生理科「土地のつくりと変化」

理科の授業を参観しました。
6年「土地のつくりと変化」。
学習問題は「火山活動や地震で、土地はどのように変化するのだろうか?」です。
はじめに、「今日は地震の学習です。みなさんは地震の経験はありますか?」と問いかけると、「東京に住んでいたときに、震度4の地震がありました。冷蔵庫が揺れていました」「熊本に行っていたときに地震がありました。乗っていた車が揺れました」「阪神淡路の地震のことを家族から聞きました。死ぬかと思ったそうです」などの発言がありました。
次に予想についての発表です。地面が割れると思います」「土地が盛り上がります」「津波が来ます」「地形が変わると思います」などがありました。
その後、教科書を読み、「NHK for School」の画像を見て、ノートに分かったことをまとめました。「地震発生のしくみ、日本は地震が多い国、断層のメカニズム、ナマズ伝説、液状化、プレート」などを学習しました。

今日の授業では火山活動と地震を1時間ずつ分けていましたが、この2つを一緒にして、2時間わくにすると、「予想→計画→調べる→結果→考察→結論」までの活動をある程度の時間を確保しながら計画できたと思います。一人ひとりの調べる時間を確保して、ペアや全体で交流させると、さらに主体的な学習活動ができます。

子どもたちに「調べる時間(個別学習)」を保障して、多様な考えが出てくるようにすれば意欲が高まり、交流も楽しく有意義になります。
例えば、導入では、火山灰で一瞬のうちに消えたポンペイのこと、火山で成長する西ノ島のことなど、子どもが興味をもつ話も加えながら、火山や地震について調べる計画を立てます。本やネット、インタビューなど自分が選んだ方法で調べてまとめます。
調べるところでは、できるだけ具体的事例を集めます。その後にペアや全体交流で、いろんな事例を聞いて、まとめるときにはその共通点に着目して書きます。最後の振り返りでは、自分だけの視点を加えて独自の学びを完成させます。
子どもの思考はこのように拡散と収束の繰り返しによって深まります。「予想→計画→実験(観察・調べる)→結果→考察→結論」という基本的な学習の流れを維持しながら、その中にその子らしい「気づき、考え」が生まれる授業が理想です。

f:id:shinichi-matsufuji:20191113201014j:plain

ポンペイ 2019年10月