退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

「話すチカラ」(齋藤孝、安住紳一郎著 ダイヤモンド社)

本の冒頭に「15秒以内で短く話す」のポイント提示があります。
「教師の話は長い」と揶揄されますが当たっています。
特に最近は、子どもたち同士の「対話」が奨励されているので、教師の話を簡潔にすることは必須課題です。
それにしても「15秒以内」とは驚きましたが、人間が集中できるのはそもそもその時間くらいなのです。
ましてや、小学生には更に「時短化」の徹底が必要でしょう。
30秒や1分あれば、15秒単位で構成を考え、それぞれ最後の3秒は適切なまとめを意識すること。
アナウンサーも俳優も、最後の3秒のまとめが上手なのです。

余計な言葉を入れないことを強く意識する。
私は毎日オンライン英会話のレッスンを受けていますが、講師から何度もこの指摘を受けています。
言葉が出てこないときに何度も「アー」「エー」のような無意味な声を発していたのです。
自分が話すときのクセに気づくことが肝心です。
教員には自分の授業を撮影することがオススメ。
自分で自分の指導する姿を見るのはつらいけれど、これによって多くの気づきが得られます。

人を引きつける話のための工夫として、「抽象・具体」「ワイド・ナロー」を意識する。
この「ワイド・ナロー」と言えば、小学校教師は「アップとルーズで伝える」(国語4年生説明文教材)を思い出します。
サッカーの中継では、ゴールの瞬間は歓喜する選手のアップが強調され、スタジアム全体のルーズ(遠景)で試合は終了します。
アップかルーズを選んだり、取材したものを選んだりして、受け手が知りたいことや送り手が伝えたいことを表現します。
話すときもこのようなカメラのアップとルーズ、ワイド(広い)とナロー(狭い)の使い分けが大切です。

これからテレビを見るときは、齋藤孝先生と安住紳一郎TBSアナウンサーの「話すチカラ」を見つけることも楽しみになりそうです。