猪野神社の奥にある茅乃舎(かやのや)カフェに行きました。
真空管アンプからはチェロの優しい調べが聞こえてきます。
初夏には蛍が舞う小川の横にあります。
成果や能力をほめるのは危険!?
「すごい!100点だね」「全部できたね。完璧!」のように子どもをほめることはありますよね。これのどこがいけないのでしょう?
次のような研究結果があります。小学生を2つのグループに分けて、パズルに取り組ませました。Aグループにはできたパズルの数(X)を伝えて、「(X)もできている。よくできたね。頭いいね」といって成果と知性をほめる言葉をかけます。Bグループには「(X)できているね。すごくよく頑張って考えたね」と努力をほめる言葉をかけます。
この後、「もう一度パズルをするとしたら、より難しいものをしたいですか?それとも同じようなものをやりたいですか?」と聞くと2つのグループに大きな違いが出ました。Aグループ(知性)は、大半が「同じようなものがやりたい」と言ったのに対し、Bグループ(努力)グループは、「もっと難しいものがやりたい」と答えたのです。
翌日、この2つのグループの子どもたちに1回目よりも難しいパズルを解かせてみました。成績が1回目よりも低下したのは2つのグループに共通していました。しかし、「楽しさ」「やる気」「自信」に関する反応は全く違っていました。
Aグループ(知性)は、2回目のパズルを楽しむことができず、「持って帰ってやってみたい」と言う子もいません。前日よりも「数値」が下がって自信も失くしたようです。
Bグループ(努力)は、前日よりもパズルを楽しく感じ、「家に持って帰ってしてみたい」という「やる気」も高まっています。前日よりも成績は落ちているのに「自信」は低下していなかったのです。
私は、「自分がAグループの子どもだったらどのように反応するだろか?」と想像してみました。成果、つまり「どれだけできたのか」をほめられたら、次はそれ以上の点数がとれないと「自信がなくなるかもしれない」「やる気が下がるかもしれない」と思いました。
勉強に関しては、成果をほめるのではなく、その努力を認めることが大切だということが分かります。
では具体的にどんな「言葉かけ」がいいのでしょうか?
ポイントは「ほめる」ではなく「認める」です。「すごいね」「さすがだね」ではなく「いいね」がいいのです。「いいね」は大げさではなく、さりげない言葉です。「あなたの努力を認めているよ」「わたしもうれしい」の気持ちが伝わります。
勉強以外の日常の小さなことでは「すごい」「さすがだね」で自己肯定感を高め、勉強では「いいね」という「軽さ」のある言葉がいいようです。「いいね」「すごいね」「さすがだね」を上手に使い分けて自己肯定感を高めることが子どもの幸せな将来につながります。
参考文献「スタンフォードが中高生に教えていること」星 友啓
「子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば」石田勝紀