退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

映画「ベイビー・ブローカー」

昨日は糸島の「森のカフェ」に行きました。

涼しい森の風は天然のクーラー。

高い木の上のカフェタイムは最高でした。 

 

映画「ベイビー・ブローカー」

 私は韓国が好きです。新型コロナが広がる直前には家族で釜山に行きました。旧知の孫校長先生から温かいもてなしをいただいて感激しました。そんな大好きな韓国で是枝監督が撮った映画。これを見逃すことはできません。

 この物語の設定は「万引き家族」に似ています。棄てられた赤ん坊を売ってお金を儲けようとする男たちとその赤ん坊の母親が一緒に行動するうちに、家族のような結びつきが生まれます。犯罪に手を染める人間たちなのですが、彼らを突き放すのではなく、寄り添うような監督の眼差しがあります。

 日本と同じく韓国の現実は大変厳しい。格差が広がり、貧困や分断などの問題が解決できないままになっています。その厳しい現実から目をそらさずに、正面から向き合っている映画です。

 この映画の特徴はとても静かであることです。説明的ではないので分かりにくいと感じるかもしれません。しかし目を凝らすと、一つ一つの場面から多くのことを読み取ることができます。例えば撮影の素晴らしさ。言葉だけでなく、情景から人物の心情が伝わってきます。ソン・ガンホをはじめとする名優たちの抑えた演技、絶妙なリズムと間の取り方。私はこの作品が好きです。