退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

推測する力  5年生外国語活動

今日は5年生の外国語活動を参観しました。
友だちとのペア活動で、自分が家でいつもしていることについての伝え合いです。
交流の前に反応の大切さについて確認し、Me too. Good! Wow! Wonderful! Nice! などの反応のフレーズを子どもたちに思い出させて、板書しました。交流の様子を見ていると、恥ずかしがらずに、大きな声で英語を話すことができていたので感心しました。
終わった後に教師が「どんないい反応がありましたか?」と問いかけると、「拍手してくれました」「○○さんがNice!と(強く)反応してくれたのでうれしかったです」と発表していました。
授業最後の振り返りでは、「○○さんは、毎日楽しそうだなあと思いました」「○○さんは笑顔で言っていました」「○○さんは家事を手伝っていて、すごいと思いました」「自分と同じところがたくさんあるなあと思いました」「「○○さんがいつもゲームしているのでおどろきました」「席替えしたばかりなので、隣の人のことを知ることができてよかったです」など、友だちのことを知る喜び、友だちとやり取りすることの嬉しさがたくさん表れていました。外国語活動の最も大切なことが具現化できています。

外国語活動で重要なことは推測する力です。相手が言っていることのすべてが分からなくても、その中から分かる部分をつないで「多分こんなことを言っているのだろう」と推測できるようになることです。初学者にとって外国語は分からないことの方が多いものです。そんなときに、あきらめてしまわないで、「何とかしよう」と、今までの知識はもちろん、相手の表情やジェスチャーなどからも読み取って、伝えようとしていることを粘り強く考えることが求められます。子どもたちに、繰り返しこの推測する力の大切さを伝えなくてはいけません。「分からない」「難しい」とすぐにあきらめてしまうことがあるからです。教師がある程度のまとまりのある話を英語で聞かせた後、「どんな言葉が聞こえてきました?」と問い、「Apples と言っていました」「redと聞こえました」と一部でもいいので、聞き取れたことをほめてあげましょう。全体の意味を聞き取れた子は最後に発表させるようにして、はじめは部分を聞き取れた子に発表させるようにすれば、どの子も参加できて、伸びを自覚できる授業になります。

「できる限り英語をたくさん使うようにする」も年間を通して繰り返し子どもに意識させる大事なことです。1時間の学習のはじめに、「この時間は外国語活動の時間です。なるべく日本語は使わないで、英語をたくさん口から出すようにしましょう。学習の振り返りのときに、自分がどれくらいできたのか、パーセントで記録します。英語を使う割合が増えるようにがんばりましょう」と伝えておきます。できる子は100%近く英語だけでできるようになります。苦手な子も割合が増えることを目指して頑張ることができます。

「○○ができるようになる」というめあてにすると、意欲が高まり、達成感や満足感も得ることができるようになります。授業のはじめに、「自分が家でしていることについて、友だちに伝えることができるようになる」と、はっきり意識させ、おわりにはどれだけできたのか自分で振り返ることを話しておきます。評価の指標も具体例を示します。「何人の友だちに伝えることができたか」「相手は自分の話に反応していたか」など、伝えた友だちの人数、相手の反応の様子を根拠として自己評価させれば客観性も高まります。

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ハワイ 2018年8月