退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

2年生道徳「つくえふき」 学研 みんなのどうとく

2年生の道徳の授業を参観しました。
「つくえふき」 主題名「分けへだてのない心」 内容項目:公正、公平、社会正義
ねらい「差別された側の心情を共感的に理解することを通して、自分と相手との関係だけで判断してはならないという心情を育てる」

導入では、「24・0・6」という数字を示して、何のことなのか子どもたちに考えさせました。
これは、事前に実施したアンケートの結果で、「みんながなかのよいクラスですか」という問いに対して、「はい24人」「いいえ0人」「どちらでもない6人」という回答がありました。
「この6人という数が気になります」ということを子どもたちに問いかけて、子どもたちの関心を高め、今日の学習に入りました。
アンケートを事前にとって、それをもとにして授業展開を考えたり、その結果を活用したりすることはとてもいいと思います。
アンケートには、「これまでになかのよい友だちとそうでないでくべつをしたこと、そのようなばめんを見たことはありますか」という項目もあるので、それを授業でもっと活用できたらよかったと感じました。

お話を読んで、その内容を確かめ、それぞれの人物の気持ちを考えました。
「どんなお話だったか教えて下さい」「ゆうとさんは、仲の良い友だちの机はゴシゴシきれいにふいて、友だちではない人はサッサッと簡単にふいています」
「かなみさんとわたしはどう思った?」「『そんなのよくないよ。ちゃんとやろうよ』と言いました」
「それに対してゆうとさんは何と言いましたか?」「『机をふいていないわけではないからいいんだ』といいました」
「『わたし』はどう答えましたか」「理由がおもいうかばなかったので、小さくうなずきました」
「わたしはどんな気持ちでしょう?」「もやもやした気持ちです」

次に、ふき方が違うときのゆうたの気持ちをワークシートに書かせました。
「ゴシゴシとふいているときの気持ちは?」「『自分の友だちだからきれいにしよう』です」
「サッサッとふいているときのは?」「『友だちじゃないから適当でいいや』です」
役割演技も行いました。3人で、机をふく人、ゴシゴシていねいにふく人、サッサッと簡単にふく人になります。ふく人の言葉を教室後方に貼って、見ることができるようにしていたので演技しやすかったと思います。
ふき方の違いを上手に演技した子がみんなの前で発表したこともみんなの参考になりました。
最後はゆうとさんに、自分の気持ちを伝える手紙を書きます。
「なかよしの机でなくてもきれいにふいてください」
ペアで伝え合ってから3人がみんなの前で発表しました。
今日のまとめでは、アンケートの「どちらでもない」と答えた6人のことについて再度子どもたちに問いかけ、「これからも毎日このことを考えてほしい」という教師の願いを伝えました。

100%よいことばかりできる子がいないように、100%悪いことばかりする子もいません。
子どもたちには良いところもあればよくないところもあります。
そういう自分の心とどのように向き合わせることができるのか、それが重要です。
「相手の気持ちを考えて行動することが大切です」とまとめるのはいいことですが、「好きな子には親切にできるのに、嫌いな子に親切にするのは難しい」という本音をたくさん出させることで、子どもの心の深いところに届く学びになります。
自分の体験を語らせ、抽象的でなく具体的な行動について考えさせることで、「考え、議論する道徳」に近づきます。

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2018年 オアフ島