退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

伊福部昭と橋本忍

誕生日にプラネタリウムをもらった。今年の1年次教員たちからのプレゼント。「テーマは癒しです」と説明してくれた。そんなに癒されていないように見えるのかなあ? まあ疲れているようには見えるだろうけど。セットでいただいたのは、ミッフィーの仲間のボリスのマグカップポールスミスの黒いTシャツ、私の好きなものばかりです。

家に帰って、電気を消してリビングの天井に星を光らせた。効果音もなかなかいい。しばらく部屋いっぱいに広がる星を眺めていた。誕生日の夜はこれからいつもプラネタリウムを見ることにしよう。ぼくはあと何回、この星を見るだろう。

 

「大楽必易 わたしの伊福部昭伝」片山杜秀

「鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折」春日太一

作曲家の伊福部昭と脚本家の橋本忍の本を同時に読み進めている。新聞に掲載される片山さんの音楽評論にはいつもおどろかされる。強くしなやかな文章に引き込まれてしまう。ピアニストのイゴール・レヴィットも片山さんから教えてもらってよく聴くようになった。

春日さんは高橋源一郎さんのラジオにレギュラー出演していた人。春日さんの語る映画のエピソードやトリビアを聞くとその映画が観たくてたまらなくなる。高橋さんとコンビの映画談義をぜひもう一聞きたいです。

伊福部と橋本には共通点があった。二人ともデビュー作で大ホームランを放った。伊福部は大学を卒業してすぐにチェレプニン作曲コンクールで第1位入賞した。初めて書いた管弦楽作品、しかも伊福部が学んだのは北海道大学農学部である。

橋本は二十歳で入隊後、「結核廃兵」として療養所に移される。奇跡的に生き延びて脚本家としてのデビューがヴェネチア映画祭グランプリの「羅生門」。

二人はスタートから大きな脚光を浴びたので、その後は苦労が多かったことも容易に想像がつく。それにしても戦中戦後の混乱期の青春は何とドラマチックなのだろう。彼らの人生それ自体が映画のようだ。