先日ラジオで「野ばら」(小川未明)の朗読を聞きました。
以前は国語教科書に掲載されていたので、覚えている方も多いと思います。
久しぶりに聞いて、深い余韻が残る優れた作品だと感じました。
その番組の中で、文字だけの読み聞かせのコツが紹介されていました。
それは、「要所で間を取って聞き手と目を合わせること」です。
今度試してみようと思いました。
さて、今回は「新聞記事から」です。
「コロナ失策からの発見 崩れる民主主義の常識」成田悠輔
4月14日の朝日新聞夕刊に「コロナ失策からの発見 崩れる民主主義の常識」という論考が掲載されました。
筆者は成田悠輔さん。半熟仮想株式会社代表、イエール大学准教授。専門はデータと数学を用いた政策やビジネスのデザイン。
筆者がデータを分析して発見したことは、「民主主義の国ほどコロナで人が亡くなり、経済の失速も大きい」ということです。
何となく感じていたことですが、データではっきり提示されると驚きます。
世界で最もコロナの死者が多かった米国と被害を少なく抑えて早期回復に転じた中国がその典型ですが、これは世界的現象です。
なぜこんなことが起きたのか。
政治家にとって何よりも重要なのは選挙に勝つことです。
しかし、コロナに対して強く明確な対策をとれば、人々の支持を得ることはできません。
自分の選挙に不利になることを進んでする政治家はいるでしょうか。
結果として対策は弱く曖昧なものとなって、感染を拡大させてしまうのです。
今の日本はまさにそういう状況に見えます。
現代は情報が多く、伝達が速いことも対策を混乱させています。
情報が多すぎて、どれが正しいのか分からない。
状況の変化の速さに私たちは対応できていません。
問題ははっきりしてきましたが、解決は困難です。
めざすべきは専制国家でもなく、超管理社会でもないでしょう。
私たちはあせらずに時間と労力をかけて民主主義に代わる政治システムをつくっていかなくてはならないようです。