大友良英さんは、NHKテレビ「あまちゃん」「いだてん」を担当したことで有名な音楽家です。
元々はジャズギタリスト。それも先鋭的なフリージャズの奏者です。
私は大友さんがDJを務める「ジャズ・トゥナイト」という番組の大ファンで、毎週欠かさず聞いています。
この番組は、古典から最新のジャズまで、主流派から前衛まで、幅広いジャズを取り上げています。
それができるのは、大友さんのジャズに関する知識が驚くほど幅広いからです。
自分の好きな音楽について、これほどまでに愛情込めて語ることのできる人を他に知りません。
この本は、大友さんの子どもの頃の思い出から始まり、音楽家として活動を始めた時期までの出来事が書かれています。
大友さんは私より若い方だと思っていたのですが、実はほぼ同世代ということが分かりました。
昭和30年代、私の叔父は、香椎で銭湯を営んでいました。
近所の人たちとは大きな家族のように仲が良く、大人たちはいつも楽しそうに笑っていました。
子どもだった私には、だれが親戚でだれが近所の人なのか区別がつかないくらいでした。
大友さんの子ども時代にも同じような思い出が書かれていたので、自分の子どもの頃が懐かしく蘇ってきました。
全ての世代の大友ファンに、そして特に私のような60代のジャズファンには絶対おすすめの1冊です。