退職しない教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

僕は仰向けになって目を閉じ、何時間も雲雀の唄を聴き続けた

神戸へ行った。

何で神戸なんだろう。

はじめに浮かんだのは村上春樹。

デビュー作、「風の歌を聴け」の舞台は神戸がモデルだと推測できます。

「前は海、後ろは山、隣には巨大な港町がある。ほんの小さな街だ。港からの帰り、国道を車で飛ばすときには煙草は吸わないことにしている。マッチをすり終わる頃には車はもう、街を通りすぎているからだ。」

村上は中高時代を芦屋で過ごしました。

 

もう一つは、大森一樹の映画「暗くなるまで待てない」

神戸を舞台に大学生たちが映画製作に奔走する姿を描いた作品。

一晩中さわぎ疲れて明け方の街を歩く若者たち。

その中の一人の女の子がつぶやきます。

「行くところはいくらでもあるわ。帰るところがないだけなの…。」

一緒に何かをつくることで、そこに共同体が生まれます。

しかしそれは一瞬のこと、輝く時間は長く続きません。

 

元町の商店街の中古レコード店に入ったとき、小さなポスターが目にとまりました。

ソロピアノコンサート、今日の夕方です。

そのジャズピアニストの名前は聞いたことがあったので行くことに決めました。

商店街から海に向かって歩いて行くと高級ブランド店やおしゃれなカフェが続いていました。

その隙間に忘れ去られたような古いビルがありました。

会場に足を踏み入れると、ごつごつした床にグランドピアノが置いてあります。

定刻になって、ピアニストが演奏を始めました。

美しい音、懐かしいような旋律が続くかと思えば、ギラリとナイフが光るような音に驚かされます。

光の乱反射のような予測できない音の後には、夏の草原のような静寂がとつぜん広がります。

偶然このようなコンサートを聴くことができて本当に幸運でした。

 

ピアニストの名前は魚返明未。

おがえりあみ。

定番のジャズに物足りなさを感じている方はきっと好きになります。

村上さんや大森さんがいた頃の空気はもうどこにも残っていないと思っていましたが、ここにありました。


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