退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」坂本龍一 

昨日は、後輩Hさんの教頭昇任祝いをしました。彼は2年前に訪問していた学校の教務主任でした。とてもユニークな人物です。教員になる前は、他業種で働いていたところが私と一緒。もう一つ、ミュージシャン志望だったことも同じだと分かって意気投合しました…

村上春樹と伝説のイノシシ

昨日は妻と大濠公園でランチ。湖上を迷走する巨大な白鳥たちを眺めながらおいしいパスタをいただきました。出発前に私が急がせたのでムースをつけすぎて髪がゴワゴワになったと言う妻の話を聞きながら思い出したのは先週読んだ椋鳩十。伝説のイノシシのこと…

街とその不確かな壁

シアトルに住む長女から写真が届いた。 「このオジサンはどこかで見たことある。父が好きなミュージシャンに違いない」 さすが我が娘、覚えていてくれてありがとう。 この人はロックギターの神様、ジミ・ヘンドリックスだよ。 ロックの聖地へ父も飛びたい! …

「Turn! Turn! Turn! ターン ターン ターン」東山彰良

この本の冒頭で、ザ・バーズの「Turn! Turn! Turn!」の歌詞が紹介されている。 生まれる時、死ぬ時 植える時、刈り取る時 殺す時、癒す時 笑う時、泣く時 あらゆる物事には時機があり 天の下、全ての目的にはそれにふさわしい時がある 旧約聖書の「コへレト…

葉山 2023年春

退職して7年目の春。今年度もフルタイムで働くことになった。6名の1年次教員の支援をする。 4名は講師経験あり、2名は3月に大学を卒業したばかり。1年後に「教師になってよかった」と思える研修にしたい。 神奈川県立近代美術館から見える葉山の海 旅行2日…

横浜 2023年春

海の見えるカフェ 横浜2023年3月 横浜1日目は中華街と山下公園の花見。 YOKOHAMA AIR CABINにも乗った。街中から海までをつなぐロープウェイですね。 レストランで夕食を済ませた時間だったので、美しい夜景を見ることができました。 ここの巨大な観覧車は花…

椎名誠は寅さんだった 「失踪願望。」

「シーナ誠を読んでいる」と知人に言ったら3人が3人とも「ああ、この頃死んだ人?」と返してきた。 鮎川誠と間違えないでほしい。 「失踪願望。」を読んでいる。椎名誠を読むのは久しぶりだがやはりおもしろい。この本は日記形式でコロナ禍のシーナの日常が…

金のおの、ソール・ライター、野原

1年生の道徳「金のおの」を参観。自分でおのを池に落とした2番目の男は「自分が落としたのは金のおのです」と嘘をついたので、女神はそのまま何も言わずに消えてしまいます。その男の気持ちを吹き出しに書かせると、「せめてじぶんのおのだけはかえしてほし…

誰も奪えぬこの想い 「この世の喜びよ」(井戸川射子)

私の愛聴盤「エラ&ルイ」(エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングのデュエット)。その中でも一番好きなのが「誰も奪えぬこの想い(They Can't Take That Away from Me)」。思い出とは不思議なもので、大きな出来事よりも日常の何気ないことの…

なぜ書くのか

昨日はSくんと博多駅で飲んだ。Sくんは昨年担当した1年次教員。仕事以外でもこんな風に誘ってくれるのはうれしい。夏に結婚する予定で、式に参加してほしいという話だった。おめでとうSくん。1年目はいろんな悩みが多い様子だったけど、すっかり成長したね。…

長く続くジャズ喫茶の秘密

昨日は元同僚のMくんとテントセンブックスに行きました。この前会ったときにこの店の話をしたら「ぜひ行ってみたい」ということで早速案内しました。Mくんは教員ですが現在は休職して大学院へ通っています。この小さな個性的な本屋が気に入ったようです。 昨…

授業実践「自分の好きな詩を見つけよう」

見通しで意欲を継続させる 「自分の好きな詩を見つけよう」という授業をしました。めあてを提示してから、今日のゴール「自分の好きな詩を見つけること」「学級で一番人気がある詩を当てること」を確認しました。これは、今日は何を学習するのか、ゴールは何…

子どもたちに民主主義を教えよう

「子どもたちに民主主義を教えよう 対立から合意を導く力を育む」(工藤勇一・苫野一徳著)あさま社 憲法とは何でしょう。すべての法律の中心にあるもの、私たちが守らなければならないものと考えてしまいます。しかし、憲法とは、私たち市民が対等で自由で…

宮島への旅

あけましておめでとうございます。 年末は宮島へ行きました。驚くほどたくさんの観光客。英語や中国語だけでなく、ロシア語やスペイン語(たぶん)も聞こえてきました。インバウンド復活は進んでいるようです。 広島駅のお好み焼き店で順番を待っていたらす…

釜山市立美術館

釜山旅行2日目は釜山市立美術館。 サムソン2代目会長Lee Kun-hee氏のコレクションが公開中でした。 展示作品のほとんどが1920年代から現代までの韓国作家の作品。 韓国の現代絵画は福岡のアジア美術館で何度も見ていますが、今回はより多様な韓国美術界の歴…

サムルノリを知っていますか?

クイーンビートルから見た釜山港 3年ぶりの釜山。もう10年以上の交流があるS校長先生との再会も楽しみです。 今回の1日目は韓国伝統音楽のコンサート。韓国は伝統音楽をとても大事にします。小学校を訪問したときは、音楽室にある伝統音楽楽器の充実に驚きま…

「聞く技術 聞いてもらう技術」東畑 開人著 ちくま新書

私の今の仕事は若い教師たちに授業のアドバイスをすることです。授業に関することが中心ですが、学級づくりや保護者対応などについて相談を受けることもあります。だから、「もっと上手に聞きたい」「聞いてもらうにはどうしたらいいのだろう」といつも悩ん…

個人美術館の愉しみ「かみや美術館」

初めての愛知。 福岡なら少し車で走れば山ですが、ここでは山が遠くで見えないほど広い平野が広がっています。 列車が街の中心部から離れると田畑が続いている。 そうか、これが『とよた』! 「かみや美術館」は、愛知県半田市にある個人美術館です。 児島善…

光と陰のアンソロジー  つなぎ美術館

3回目の「つなぎ美術館」。 前回は福岡から新幹線とローカル線を乗り継いで行きました。 「肥薩おれんじ鉄道」という小さな電車はジブリ映画のようでした。 今回はプリウスで約3時間のドライブ。 前回はたどり着けなかった野外作品も観ることができました。 …

「ルポ 誰が国語力を殺すのか」石井光太著

今日は中州のbills(ビルズ)でチーズサンドを食べました。少し高い店ですが、外国に来たみたいな雰囲気で、気分が上がります。 「ルポ 誰が国語力を殺すのか」石井光太著 国語力低下の問題は単に学力の問題ではありません。もっと大きな問題、社会全体に関…

「映画を早送りで観る人たち」稲田豊史著 光文社新書

「映画を早送りで観る人たち」稲田豊史著 光文社新書 先日、映画「百花」を観ました。監督の川村元気さんは、「近頃は映画を早送りで観る人が多い。だから私は早送りできない映画を作った」と語っていました。この本を読んで、川村監督の思いが何となく分か…

コーチング(1)「相手の心のシャッターを上げる」

小倉リーセントホテルはJR西小倉駅から歩いてすぐのところにあります。教職員であれば互助会の割引(補助)と県民割が併用できるので、驚くほど安く泊まれます。(というかほとんど手出しゼロ) 気になるのはレストランでビールを飲んでいると、「職員室」…

「ぼくらの戦争なんだぜ」高橋源一郎著

藤原新也さんの写真と言葉は、強く深く響く。 今回は絵画や書まで含めた表現の全体を見ることができた。 2022年の私たちに届けられた言葉は「祈り」。 福岡市へ来たら博多駅近くのホテル「ザ・ベーシックス福岡」のロビーを見てほしい。 高くそびえる本棚が…

「運動脳」アンデシュ・ハンセン著

「運動脳」を読んだ。「これは人生を変える本かもしれない」と思った。 私の知人、教員Aさんは、現在「うつ」に苦しんでいる。 疲れがとれない、眠れない、暗い気分が続く、などのメンタルの不調を訴えている。 「休日は、学校のことを考えないで、自分の好…

授業で学級をつくる

夏季休業中は延べ29回の面談を実施しました。授業や学級づくりに関すること、指導案作成など、1人約1時間。普段は短い時間しか話ができないので、まとまった時間にゆっくり話を聞くことができるのは貴重な機会でした。 先生方との面談で聞いたことは、「も…

ジョン・レノン、三島、風立ちぬ

万平ホテル 客室 1970年代、ジョンは毎年のように万平ホテルで夏を過ごしていました。 音楽活動は休業して育児に専念していました。 「ジョンは軽井沢にいるらしいよ」と聞いて、大学生だった私は「早く次のアルバムを作ってくれよ」としびれを切らしていま…

「教育書の生かし方」松村英治著 東洋館出版

この本は小学校教師の著者が今までに読んだ本(1500冊)から「私の考えや実践を創ったり変えたりしたきっかけを与えてくれた教育書」の22冊を選んで紹介した本です。 「読書をどのように実践に生かすのか」が語られています。例えば私も「クラス全員が熱…

 成果や能力をほめるのは危険!?

猪野神社の奥にある茅乃舎(かやのや)カフェに行きました。 真空管アンプからはチェロの優しい調べが聞こえてきます。 初夏には蛍が舞う小川の横にあります。 成果や能力をほめるのは危険!? 「すごい!100点だね」「全部できたね。完璧!」のように子ども…

映画「ベイビー・ブローカー」

昨日は糸島の「森のカフェ」に行きました。 涼しい森の風は天然のクーラー。 高い木の上のカフェタイムは最高でした。 映画「ベイビー・ブローカー」 私は韓国が好きです。新型コロナが広がる直前には家族で釜山に行きました。旧知の孫校長先生から温かいも…

「『正しい戦争』は本当にあるのか」 藤原帰一著 講談社+α新書

7月の参議院議員選挙を前にして、日本の進むべき方向についての議論を聞くことが多くなりました。ロシアのウクライナ侵攻の影響で、「日本も軍備を増強すべきだ」という意見が多くなっています。「ウクライナは核を手放したから侵略されたので、日本も核を…