退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

「運動脳」アンデシュ・ハンセン著

「運動脳」を読んだ。「これは人生を変える本かもしれない」と思った。 私の知人、教員Aさんは、現在「うつ」に苦しんでいる。 疲れがとれない、眠れない、暗い気分が続く、などのメンタルの不調を訴えている。 「休日は、学校のことを考えないで、自分の好…

授業で学級をつくる

夏季休業中は延べ29回の面談を実施しました。授業や学級づくりに関すること、指導案作成など、1人約1時間。普段は短い時間しか話ができないので、まとまった時間にゆっくり話を聞くことができるのは貴重な機会でした。 先生方との面談で聞いたことは、「も…

「教育書の生かし方」松村英治著 東洋館出版

この本は小学校教師の著者が今までに読んだ本(1500冊)から「私の考えや実践を創ったり変えたりしたきっかけを与えてくれた教育書」の22冊を選んで紹介した本です。 「読書をどのように実践に生かすのか」が語られています。例えば私も「クラス全員が熱…

 成果や能力をほめるのは危険!?

猪野神社の奥にある茅乃舎(かやのや)カフェに行きました。 真空管アンプからはチェロの優しい調べが聞こえてきます。 初夏には蛍が舞う小川の横にあります。 成果や能力をほめるのは危険!? 「すごい!100点だね」「全部できたね。完璧!」のように子ども…

「『正しい戦争』は本当にあるのか」 藤原帰一著 講談社+α新書

7月の参議院議員選挙を前にして、日本の進むべき方向についての議論を聞くことが多くなりました。ロシアのウクライナ侵攻の影響で、「日本も軍備を増強すべきだ」という意見が多くなっています。「ウクライナは核を手放したから侵略されたので、日本も核を…

大阪の博物館に行ったら村上春樹を思い出したこと

「俺は黙って古墳を眺め、水面を渡る風に耳を澄ませた。その時に俺が感じた気持ちはね、とても言葉じゃ言えない。いや、気持ちなんてものじゃないね。まるですっぽりと包みこまれちまうような感覚さ。つまりね、蝉や蛙や蜘蛛や風、みんなが一体になって宇宙…

「なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?」岡崎大輔著

先日、新聞で元福岡市こども総合センター所長の藤林さんのインタビューを読みました。 「サッカーでいうと、児相はゴールキーパー。本当はみんなで守っているはずなのに、失点すると、『何してるんや』と言われ続ける」 子どもの虐待死の事件では、いつも児…

「撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて」内田樹編 晶文社

福岡アジア美術館のカフェに行きました。 ここが気に入っている一番の理由は人が少ないということです。 8つのテーブル席がありますが、今日もほとんど貸し切り状態でした。 BGMの不思議なアジア音楽も素敵です。 ここで美術に関する本を読んだり、それをノ…

映画「アメリカン・ユートピア」(スパイク・リー監督 2020年)

先週、訪問した学校ではプール掃除が行われていました。 コロナの影響で2年間、水泳指導がなかったので、汚れがひどくて大変です。 さて、今日は映画の紹介です。 映画「アメリカン・ユートピア」(スパイク・リー監督 2020年) トーキング・ヘッズのアルバ…

「人生百年の教養」 亀山郁夫著 講談社現代新書

昨日は大濠公園のカフェで妻とブランチ。漕ぎ手男性の不慣れから迷走するボートにツッコミを入れながら、おいしいコーヒーをいただきました。今日は母の日。89歳になる母と過ごす予定です。 「人生百年の教養」亀山郁夫著 講談社現代新書 著者はロシア文学者…

「ムスコ物語」ヤマザキマリ著 幻冬舎

子育てに限らず、家族や知人や同僚など、人間の社会の中で望まない齟齬や誤解が発生しても、やがてありのままを包括し、認め合いながら生きていけるようになるためのヒントになってくれたら嬉しいし、デルスにも示しがつく。(本書 「はじめに」より) これ…

「レイニー河で」ティム・オブライエン著 村上春樹訳

ロシアがウクライナに侵攻を開始して2カ月になりました。現在はマリウポリでの攻防が続く中、ロシア軍の民間人への残虐行為が次々と明らかになっています。 「同志少女よ、敵を撃て」を読み終えて、再読したのがこの「レイニー河で」です。著者のティム・オ…

「2年生担任のための国語科指導法 低学年のうちに習得させたい国語の学び方」土居正博著 明治図書

新学期が始まって各学校への2回目の訪問が終わったところです。個々の教師や学級の課題はざまざまですが、まずは子どもたちに「聞く力」を育ててほしいと伝えています。 私が見た学級の多くでは「発表している人の方を見て聞きましょう」「よい姿勢で聞きま…

「同志少女よ、敵を撃て」逢坂冬馬著 早川書房

依然としてウクライナから目が離せない状況が続いています。 なぜこのような戦争が起きたのでしょう。 どうして終結できないのでしょう。 私はそんなことを考えながらこの物語を読み始めました。 第2次世界大戦におけるソ連とナチスドイツとの戦いは歴史上最…

「授業で語る 違いから迫る本質論」土居正博・松村英治著 東洋館出版社

4月からの仕事が決まりました。 市内の小学校4校の2~4年次の教師への授業支援をします。 毎日、授業を参観して、よかったところと改善した方がいいことについて助言します。 そのために、授業改善についての最新最良の知見を求めていました。 1988年生まれ…

”The Lyrics:1956 to the Present” Paul McCartney , Paul Muldoon

不思議の国のビートルズ 英国でベストセラーになったポール・マッカートニーの”The Lyrics:1956 to the Present”を読んでいるところです。 これはポールが、自分がつくった歌、154曲について語った本です。 聞き手はポール・マルドゥーン。ピュリッツァー賞…

「BBQ型学級経営」渡辺道治著 東洋館出版社

信頼している土居正博先生の紹介でこの本を知りました。BBQ型学級経営とは参加型の学級経営のことです。学校教育や授業に保護者の参加を促せばどんな良いことが起きるのでしょうか?この本はそんな学級経営に取り組んだ渡辺先生の実践記録です。 現在の学校…

多和田葉子著「白鶴亮翅」 朝日新聞

2月から新聞で多和田葉子さんの連載小説「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」が始まりました。私は毎朝これを読むのが楽しみです。「白鶴亮翅」とは鶴が翼をパッと広げるという意味で、太極拳のことばです。物語の主人公はドイツに住む女性。異国での暮らしには…

マーク・トウェイン著 柴田元幸訳 「失敗に終わった行軍の個人史」新潮文庫

不条理なユーモアと悪夢 1か月前にカナダ人ALTと話したとき、彼女はウクライナのことを大変心配してました。 「何か恐ろしいことが起きそうな気がする」と繰り返し語っていました。 その後、戦争への心配は現実となり、今ロシア軍はウクライナの原発にさえ攻…

「農業フロンティア 越境するネクストファーマーズ」(その2)

先週は「オンラインありがとう集会」を見ました。この時期、小学校で実施される6年生に感謝を伝える行事です。前は体育館に全校児童が集まって行われていたのですが、コロナ禍でオンラインでの実施となりました。オンラインでどれくらいできるのかな、と心配…

「農業フロンティア 越境するネクストファーマーズ」川内イオ著 

「農業フロンティア 越境するネクストファーマーズ」川内イオ著 文春新書 スーパーに買い物に行くたびに気になること、それは野菜の値段です。例えば小松菜の袋入りは100円。安くて有難いのですが、農家の方はこの値段で採算がとれるのかな、と心配です。 こ…

旅の仕方でその人がよくわかる 池内紀著「ひとり旅は楽し」中公新書

先週で1年次教員6名の「まとめの授業」がすべて終わりました。1月以降は新型コロナウイルスの感染拡大により学級閉鎖が相次ぎスケジュールの変更もあった中、みなさんお疲れ様でした。これで私の仕事も一段落です。このあと3月までは、ゆっくり話ができそう…

学校は会社ではない! 内田樹著「複雑化の教育論」東洋館出版社

先週の金曜日にメールがありました。 私が担当するY先生のクラスが、月曜から再び学級閉鎖。 学級閉鎖の数があまりにも多いので、閉鎖の基準は改定されることになりそうです。 学校は会社ではない! 内田樹著「複雑化の教育論」東洋館出版社 この四半世紀の…

岡嶋裕史著「メタバースとは何か ネット上の『もう一つの世界』」 

新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。 先週の水曜日に私が担当しているT小学校の学級閉鎖は10学級でした。 仮想現実の中にしか希望はない? 岡嶋裕史著「メタバースとは何か ネット上の『もう一つの世界』」 光文社新書 電子掲示板やSNS、ゲーム…

『BS世界のドキュメンタリー「地球温暖化はウソ?世論動かす“プロ”の暗躍」』NHK BSテレビ

教職員の1年次研修では、基本的に毎週1回、略案(本時の展開のみの指導案)を書いて授業をしています。 そして、2学期後半か3学期初めに総仕上げとして、詳しい指導案を作成して授業をします。 私が担当している1年次教員の一人は、来週水曜日がその授業日で…

ここにも「一つの花」が  梯 久美子著「散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道」

先週は、1月6日から仕事を始めました。 6日は3校を回って、3学期の授業づくりについて一緒に考えました。 7日は、本務校のオンライン始業式に参加してから、午後に3人と面談しました。 始業式の朝の黒板には、担任からの新年のメッセージに「鬼滅の刃」「ワ…

「もしわたしが『株式会社流山市』の人事部長だったら」手塚純子著 木楽舎

「もしわたしが『株式会社流山市』の人事部長だったら」手塚純子著 木楽舎 どうすれば街を活性化することができるのでしょう。 魅力的なコミュニティをつくるにはどうすればいいのでしょう。 この本にはその具体的な実践例が書かれています。 著者の手塚さん…

100分de名著「資本論」カール・マルクス 斎藤幸平解説 NHKテレビ

先週は、特別支援学級で英語活動の授業をしました。 学期末の恒例です。 1時間目はクイズとゲーム、2時間目は作って遊ぶ活動。 もう随分実践を重ねてきたので、2時間を楽しく英語で遊ぶことができたと思います。 「私はあの子が話すところを初めて見ました」…

大学のキャンパスのような地域に  菅原和利著「自分の地域をつくる」 本の種出版

今日はオンライン研修会で海外日本人学校元校長のM先生のお話を聞きました。 コロナ感染者が広がり始めた頃、オンライン授業の可能性を試行しながら、ピンチをチャンスに変えるような実践が行われていたことは驚きでした。 大学のキャンパスのような地域に …

言葉にならない願いを聞きとる  上間陽子著「海をあげる」

今日のランチはモスのグリーンバーガーを食べました。 肉を使わない大豆パティのハンバーガーです。 予想よりおいしかったので驚きました。 こんな風に日常の食材も変わっていくのですね。 言葉にならない願いを聞きとる 上間陽子著「海をあげる」 悲しみの…