退職教員の実践アウトプット生活

教育、読書、映画、音楽の日々雑感

言葉にならない願いを聞きとる  上間陽子著「海をあげる」

今日のランチはモスのグリーンバーガーを食べました。 肉を使わない大豆パティのハンバーガーです。 予想よりおいしかったので驚きました。 こんな風に日常の食材も変わっていくのですね。 言葉にならない願いを聞きとる 上間陽子著「海をあげる」 悲しみの…

「第四次産業革命と教育の未来 ポストコロナ時代のICT教育」(佐藤 学 岩波ブックレット)

「第四次産業革命と教育の未来 ポストコロナ時代のICT教育」(佐藤 学著)を読みました。 新型コロナ感染拡大に対応して、子ども「一人一台端末」が実現しました。 「学びを止めない未来の教室」実現に向けて、学校のICT環境整備は進んでいます。 経済産業省…

「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」和田靜香著 取材協力 小川淳也

「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」和田靜香著 取材協力 小川淳也 左右社 社会問題や政治について語るときには気をつかいます。 人と話すときに政治の話題になると、相手に合わせて言葉を慎重に選んでいる自分がい…

「小商いのすすめ 『経済成長』から『縮小均衡』の時代へ」平川克美著 ミシマ社

先週は、1年次教師のダンス指導を見ました。 表現(ダンス)には、「災害からの復興」「日が昇るように」「チャレンジ精神」などの意味が込められていました。 1時間の展開を表で見せて、動画や写真でポイントを提示する指導は具体的でとても分かりやすかっ…

「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」川内有緒著 集英社

「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」川内有緒著 集英社 「美術作品を見る」とは一体どういうことなのでしょうか。 この本では、目の見えない白鳥さんと筆者が美術館へ行きます。 目の前にある美術作品のことを、白鳥さんへ伝えます。 その内容は、作…

「魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣」石井妙子著

先週は、訪問している学校で、病休をとることになった教師のことを聞きました。 学校の大きすぎる負担の軽減はなかなか進みません。 とにかく人が足りないという声を多く聞きます。 1週間後は衆議院議員選挙の投票日。 教師の負担軽減を真剣に考えている候補…

「ぼくはこんな音楽を聴いて育った」大友良英著 筑摩書房

「ぼくはこんな音楽を聴いて育った」大友良英著 筑摩書房 大友良英さんは、NHKテレビ「あまちゃん」「いだてん」を担当したことで有名な音楽家です。 元々はジャズギタリスト。それも先鋭的なフリージャズの奏者です。 私は大友さんがDJを務める「ジャズ・ト…

「学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか」 工藤勇一 鴻上尚史 講談社現代新書

昨日、土曜日はT小学校の運動会でした。 開会式と閉会式に参加するのは6年生だけ。 他の学年は教室からリモートで参加。 各学年、表現運動と徒競走、2種目の発表です。 出番のときだけ運動場に出て、終わると教室からスクリーンで観戦します。 演技中は黙っ…

「未来への大分岐」マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソン 斎藤幸平編

私が訪問している小学校の4校のうち1校が2学期制です。 その学校では、今度の金曜日に前期終業式が行われます。 教員の長時間勤務改善はなかなか進んでいません。 2学期制は膨大な量の仕事に忙殺される教員にわずかながらゆとりをもたらします。 それは子ど…

NHKテレビ「100分de名著」ル・ボン「群衆心理」

先週は、私が毎週訪問している学級で子どもの新型コロナ陽性者が出ていたことを聞きました。感染防止徹底の必要性を改めて感じました。 「群衆心理」ル・ボン NHKテレビ「100分de名著」、9月は「群衆心理」。 武田砂鉄さんの解説は、鋭くかつユーモアがあっ…

「岸惠子自伝」岩波書店

先週は、2年生音楽「リズムをかさねて楽しもう」の授業を見ました。 曲の感じを表す言葉をスクリーンに提示していたので、発言しやすくなっていました。 ポルカを踊る動画で様子がよく分かり、楽しい雰囲気になりました。 新採用教師の授業の工夫に感心しま…

「流行に踊る日本の教育」石井英真編著 東洋館出版社

先週は、3年生の国語「山小屋で三日間すごすなら」を参観しました。 「話し合い」について学ぶ3時間の小単元です。 その学級では1名リモートで参加している子どもがいました。 驚いたのは、グループで話し合う活動場面で、その子が参加していたことです。 教…

「戦争は女の顔をしていない」アレクシエーヴィチ著

福岡市は先週金曜日から2学期が始まりました。 私が担当している1年生の教室に行ってみると、いつもすぐに話しかけてくるHくんがいません。 担任に尋ねると、お母さんから「私が妊娠中なので休ませたい」と連絡があったそうです。 他のクラスでも「感染が心…

「夢のホテルのつくりかた」稲葉なおと著

30年くらい前のことです。 いとこの結婚式で奈良へ行きました。 そのときにとってもらったのが奈良ホテル(明治42年開業)でした。 立派なホテルだと思ったのですが、その良さは分かりませんでした。 猫足バスタブを見たのも初めてでした。 雲仙観光ホテルに…

「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」加藤陽子著

今日は終戦の日です。 「どうして日本はあのような無謀な戦争を始めたのだろう」と考えたことはありませんか? 軍部が権力を握って暴走したから誰も止められなかった…。 しかし、本当にそうでしょうか? 多くの国民は戦争に「賛成」していました。 軍部だけ…

「人新世の『資本論』」斎藤幸平著 集英社新書

連日記録的な猛暑が続いています。 今日は近づく台風の影響で強い雨が降っています。 台風、大雨、水害などの原因である気候変動を今すぐ止めないと、人類絶滅の危機が迫っています。 今、できることはSDGsかな、と考えていたら、本書では冒頭でこの「持続可…

「街場の芸術論」内田樹 青幻舎

先週火曜日に2回目のワクチン接種をしました。 知人から翌日に熱が出たと聞いていたのですが、その通りになりました。 翌日午後に38度の熱が出ました。 2回目接種の翌日は予定を入れない方がいいようです。 「街場の芸術論」内田樹 青幻舎 宮崎駿の映画で一…

「クラス全員のやる気が高まる! 音読指導法」土居正博著 明治図書

音読カードは役に立っているのでしょうか? 小学校の多くの教師は音読を宿題に出しています。毎日、子どもたちは家で音読をしています。「大きな声で読む」「点や丸に気を付けて」「気持ちを込めて」などのチェック項目があって、それを保護者に聞いてもらっ…

「他者の靴を履く」ブレイディみかこ著 文藝春秋  

「教員免許更新制度の廃止」のニュースが流れてきました。 以前からこの制度の問題点が指摘されていましたが、わたしが気になっていたのは、この制度の背後に「教員たたき」の思惑が隠れている気配を感じたからです。 この本の84ぺージに以下の記述がありま…

「言葉と歩く日記」多和田葉子著 

朝、車に乗るとアップルウオッチが知らせてくれました。「○○小学校までは都市高速を使えば○分で到着します」と。どうして君は、私が今から行こうとしている場所を知っているんだ。普段は車に乗っていないのに。それにそんなこと聞いていない。少し怖くなりま…

「料理と利他」土井善晴 中島岳志 ミシマ社

今の日本の「空気」としてとても気になるのが「自己責任」の考え方です。 経済的、社会的に厳しい状況にある人たちに対して、「それは自分の責任である」と考える人がいます。 一方、成功した自分に対しては「自分はそれだけの努力をしたからこの地位にある…

「クララとお日さま」カズオ・イシグロ 土屋政雄訳

休日の朝はいつもレアジョブ(オンライン英会話レッスン)です。 今日の先生はDさん。 フィリピンで高校教師をしている20代の男性です。 ニュース記事を読んで、オンライン授業の長所と短所について意見交流しました。 「生徒一人に一台の端末なんてまだ無理…

「ベルリンうわの空」香山哲

4年前に一人でニューヨークに行きました。はじめに行った美術館で、同じ絵を見ていた若い人が私に話かけてきました。ジャズクラブに行ったときも隣の人から話しかけられました。米国では近くにいる人にはとりあえず笑顔を見せて話をするという文化があること…

「シュリーマン旅行記 清国・日本」

「シュリーマン旅行記 清国・日本」ハインリッヒ・シュリーマン 石井和子訳 講談社学術文庫 福岡にも緊急事態宣言が出ました。旅行に行ける日はまだまだ先のようです。しばらくの間旅行は本の中で体験するしかないですね。私が選んだ本は「シュリーマン旅行…

憲法記念日と「その女、ジルバ」  

こんにちは。どこへも行けない大型連休がも半分終わろうとしています。ブルームバーグという米国の大手総合情報サービス会社が、ワクチンが人口の75%に行き渡り、ある程度の集団免疫に達するまでの期間についての試算を発表(4月28日)しました。アメリカは…

「知らなかった、ぼくらの戦争」アーサー・ビナード編著

「知らなかった、ぼくらの戦争」アーサー・ビナード編著 著者はアメリカから日本へ初めて来た1990年に「戦後45年」という言葉をたくさん聞いて、奇妙に感じます。 考えてみれば、アメリカは日本との戦争のすぐ後に朝鮮戦争があり、その後のベトナム戦争、湾…

「子どもの自己肯定感を高める 10の魔法のことば」石田勝紀著

先日、ラジオの文化講演会でこの著者の話を聞きました。つい引き込まれて聞いているうちに1時間が過ぎていました。まず、日本の子どもたちは「偏差値」を自分の価値と思い込んでいるという話題。「そんなことはない」と否定できますか。少なくない大人が、自…

「教師の仕事術 10の原理・100の原則」堀 裕嗣著

「教師の仕事術 10の原理・100の原則」堀 裕嗣著 明治図書出版 4月からの仕事が決まりました。引き続き1年次教員の指導を続けることになります。6名の教師、週1回の指導を行いますが、毎回確実にその力量を向上させることができるように準備を進めています。…

「生きる力 森田正馬15の提言」帚木蓬生

昨日、今年度の「子ども英語教室」が終了しました。子どもたちから手作りの花やお手紙をもらってうれしかったです。さて今日は、大好きな帚木蓬生さんの本の紹介です。 「生きる力 森田正馬15の提言」帚木蓬生 朝日新聞出版 この人のライフスタイルを真似し…

「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン著

先週は福岡の小学生とマイアミの大学生との交流授業のテスト送信を行いました。大学生2人と校長先生、担任教師の顔合わせを行い、授業の流れを確認しました。来週の授業が楽しみです。今日は友人から教えてもらった本の紹介です。 「スマホ脳」アンデシュ・…